新型コロナの影響で、内定取り消しは法的に可能?入社時期はずらせる? 社労士監修

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新型コロナウイルスの流行により、業績が悪化し、内定を取り消す会社が増加しています。そこで今回は、

・内定取り消しは法律的に可能なのか?どういう基準があるのか?
・内定を取り消された人に対する保証はあるのか?
・入社時期をずらすことは可能か?

について解説します。

 

そもそも内定とは

内定には「入社(採用)を約束しただけで、契約ではない」というイメージもありますが、内定は雇用契約とほぼ同じ効力を持ちます。つまり内定取り消しには、解雇と同様に合理的な理由が必要なのです。

※この「ほぼ」は、雇用契約とは違い、学校を卒業できないなどの内定通知書に記載している取り消し事由に当てはまれば、会社側から内定を取り消しができる、という点を指しています。

 

内定取り消しを安易に行うことの会社のリスク

上記を意識せずに、内定取り消しを行うことには大きなリスクが伴います。

【安易な内定取り消しのリスク】
・内定取り消し事由が基準に満たない場合、内定者から損害賠償請求をされる可能性がある
・内定取り消しをされた人がSNS等に書き込み、風評被害が起こる可能性がある
・解雇と近いことを行っているので、社内の雰囲気が悪くなる

本来は一緒に働く予定だった人を、一方的な都合で放り出すわけですから、内定取り消しには慎重な検討が必要です。

 

内定取り消しをする基準

この記事では、新型コロナウイルスの流行などで業績が悪くなり、会社都合で内定取り消しを行う場合について解説します。内定取り消しには、前述の通り解雇と同様の合理的な理由が必要です。

判例でも「①内定を出したときには想定できないような状況であり、②内定取り消しするまでに、会社としてさまざまな手を打っているか」が基準となっています。

今回の新型コロナウイルスの流行については、条件のひとつである「想定できない状況」に当てはまると考えられますが、他にも

・倒産の危機にある
・削減できる経費は、考えられる限り削っている
・役員報酬についても下げている
・借入などの資金調達の手段も検討したが、うまくいかなかった

のような状況が必要です。

つまり、「内定取り消しをしないと、会社が倒産してしまう」という状況を、客観的に評価できてはじめて、内定取り消しが法的に有効となるのです。

内定取り消しされた人への保証は?

働いている人が会社都合で解雇されると、待機期間(3か月)を待たずに失業保険が受給できます。ただし内定取り消しの場合は、そもそも雇用保険に入る前の段階なので、そのような保証がありません。やむを得ず内定取り消しを行ったときは、会社に法律的な義務はありませんが、

・別の会社を紹介する
・1~2月分の給与を支払う

などの対応をおすすめします。あくまで内定取り消しが会社都合であることを踏まえ、今後の関係性を悪化させないような対応が望まれます。

 

入社時期をずらすことは可能?

内定取り消しまではしなくとも、新型コロナウイルスの影響が落ち着くまで入社時期をずらしたいという会社もあるでしょう。

入社時期の延期は、本人との合意が取れていれば問題はありません。ただしすでに「4月から入社予定」という内定を出していれば、4月1日からの雇用契約が結ばれていることになります。そのため、4月1日から働けないときは「会社都合の休業」となり、休業手当を支払う必要が出てきます。

会社によっては、入社時期延期を研修の機会ととらえ、新しく入社する人にeラーニングなどのプログラムを提供しているところもあります。

 

安易な内定取り消しではなく、会社から支援を

たくさんの選考を経て内定を出した人に、取り消しの連絡をするのはとても心苦しい状況のはず。しかし日本中が苦しい今だからこそ、その内定者に対してできることを考えてみましょう。

上記で書いたような一部の給与保証や研修の他にも、

・現時点でも募集をしている企業をリストアップする、紹介する
・ご両親も交え、今後のキャリアを一緒に考える
・今後のための資格取得をサポートする

など、会社として支援できることはあるはずです。内定取り消しが本当に避けられないのであれば、少しでも不幸にならないような未来をつくりましょう。

 

 

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