新型コロナウイルスの流行によって、諸方面に大きな影響が出始めています。毎日、国からさまざまな指針や注意が出ているので、対応を迷われている会社も多いと思います。

公立の小中高での全国一律休校などの施策が行われることで、社会的・経済的な面に想定外の変化が出るのはもちろん、働く人たちの家庭へのダメージも大きくなるでしょう。

その中で注目されるのは「リモートワーク(テレワーク)」です。ただ、いきなりリモートワークを推奨といわれても、

・何を準備すればいいのか分からない
・就業規則などの規程は変更や作成が必要?
・労働時間をどう記録すればいい?

など、不安や疑問が大きいはず。

そこで、「早急にリモートワークを導入しなければならないけど、しっかりした準備をする時間はない」という会社のための緊急リモートワーク対策として、「4年間、社員全員がフルリモートで事業を進めてきた株式会社Flucleがおすすめする、たいして面倒ではないリモートワーク環境のととのえ方」を書かせていただきます。

コストをかけない緊急リモートワーク、4つのポイント

リモートワークに抵抗感を持っていたり、大げさに考えている方は「まず何かを揃えなくてはいけない」と思い、大きなハードルを感じています。

確かに完全な環境をととのえようと思うと、それなりに時間とコストがかかります。しかし以下の4つのポイントを軸に、今できることで始めれば、リモートワークの導入はそう困難ではありません。

ツールや道具を用意する

パソコンは会社のものを持ち出せるのであれば、それを使います。持ち出せない場合は社員所有のパソコンを使用してもらいましょう。(ただしセキュリティを確保する必要あり ※②を参照)

コミュニケーションツールもあれば便利です。インストール型のソフトを使っている場合は、ChatworkやSlackなどの導入を検討しましょう。ファイル添付やメンバーへの声かけがカンタンにできるので、出社時よりコミュニケーションがはかどる可能性もあります(両方、無料で使用できます)。

参考|チャットワーク

参考|Slack

ただ、いきなりコミュニケーションツールの導入が難しい場合は、ビデオツールも検討してください。Zoomがおススメです。画面共有、複数人でのビデオ会議が可能です。

参考|Zoom

それでもツール導入ができない場合は、電話で対応しましょう。「ツールの導入ができないから」という理由だけでリモートワーク導入が遅れるのは、もったいないです。

 

セキュリティを確保する

会社以外での仕事といっても、カフェはNGです。セキュリティ的に危険なため、自宅で行ってもらうようにしましょう。また、自分所有のパソコンを使用するときは、ウィルス対策ソフトを入れてください。アバストなら無料でダウンロードでき、使いやすいのでおすすめです。

参考|アバスト

お分かりとは思いますが、セキュリティに万全などありません。出社して仕事をしたって、トラブルが起きるときは起こります。緊急時である今は、リスクを恐れてリモートワークを断行しなかったときの会社が止まるという損失と、できる範囲でリモートワークをしたときの利益を天秤にかけるしかないのです。

そのうえで、「本当の機密情報は、この期間は扱わない」「会社の行く末にかかわる重大な仕事があるなら、その人は出社すればいい」など、柔軟に考えることが大切です。

 

③時間管理のルール、報告のルールを決める

時間管理のルールを決めます。

始業・終業時間 / 休憩時間 / 勤務をしてはいけない時間(22:00~05:00など) / 欠勤になるときの基準 / 休日

環境によっては、集中してまとまった時間が取りにくいときがあります。

始業・終業時刻を明確に決めるのが難しいときは、◯時~◯時のあいだと勤務を認める時間を決め、始業・終業時刻は社員にまかせます。そのときは、1日の最低勤務時間を決めておき、リモートワーク中の決められた期間内で会社指定の時間で勤務するように通達します。

休日は基本的に今まで通りで大丈夫ですが、子どもの休校などによって平日に働けなくなる場合は、振替休日などを利用して労働日を変えることも可能です。

報告のルールを決めます。

毎日、終業時には「何時から何時まで働いたか・何時間働いたか・何を行ったか」を会社に報告してもらいます。実際に働いている姿を見れない不安があるとは思いますが、何をやったのか、どんなアウトプットを出したかを報告してもらうことで安心できるはずです。

仕事の開始時・終了時に、会社に連絡をする方法を決めます。(チャットワーク、電話、メールなど)会社は社員の報告を元に、労働時間を管理していきます。勤務を認めていない時間帯にリモートワークをしているときは、指導するようにしてください。

費用負担を決める

急にリモートワークを導入した会社で、あとでトラブルになりやすいのが費用負担です。リモートワークを行うと、今までにかかってなかった費用が発生します。たとえば自宅で働く場合の、通信費、ツール利用料、パソコン代、光熱費などはどちらの負担になるのでしょうか?

おすすめは、パソコンやツールなどの購入費は会社側が負担し、それ以外は本人負担または一定額の手当(月3000円~5000円程度)を出す方法です。費用負担については、労使であらかじめ話し合っておき、双方が納得して働ける取り決めを行いましょう。

落ち着いたら、安定してリモートワークができる体制をととのえる

上記の4つのポイントは、あくまで緊急的にスタートするときの最低限のポイントです。せっかく試してみたリモートワークなので、落ち着いたら、この機会に環境をととのえましょう!

評価の仕組みをととのえる

今までは、「職場で何時間働いたか」が評価制度の中心にあったかもしれません。しかしリモートワークを導入するのであれば、「がんばっていたか」などの勤務態度ではなく、成果で評価ができるようにしましょう。

そうすれば、今後も働く場所や時間にとらわれず、公正な評価ができるようになります。個人の役割と達成すべき成果を明確にし、賃金と紐づける仕組みをつくりましょう。

テレワーク(在宅)勤務規程をつくる

取り急ぎ決めたことも、きちんと規定として運用していけば、会社の正しいルールとして定着します。テレワーク勤務規程のテンプレートを貼っておきます。ダウンロードしてお使いください。

テレワーク勤務規程(Wordファイル)

 

株式会社Flucleのリモートワーク

最後に、弊社のリモートワークについて書かせていただきます。まだ課題は山積みですが、特に大きな投資をしたわけでも、特別なルールを決めたわけでもありません。すべての会社のモデルになるとは思いませんが、参考になさってください。


【株式会社Flucle 代表取締役 三田】

Flucleは社員の自主性に任せているため、5:00~22:00の間であれば、自由に働いてOKです。(22:00から5:00の深夜時間帯は割増賃金がつき、通常時間帯で働く社員と差がついてしまうと不公平なので、緊急時以外は原則禁止しています)

何時間働いたかの時間管理は自己申告制で行い、それを基に残業代の支払いをしています。TimeCrowdというサービスを利用し、全員が何にどれぐらい時間を使ったかを記録しているため、本当にちゃんと働いているの?という不安もありません。

参考|timecrowd

また1on1を頻繁に行い、不安なことがないか、迷っていることがないかを定期的に面談し、お互いの認識をすり合わせています。

【広報担当 本田】
あまりに自由度が高いため、サボる気すらおきません。たとえば朝起きれなかったら、午後から8時間しっかり仕事をすればいいというスタイルですが、少人数で運営しているため体調管理やスケジュール管理上のミスを助けてくれる人はいません。自分の担当箇所に明確に跳ね返ってくるので、みな意外とちゃんと自己管理しています。

全体のコミュニケーションはチャットワーク。社内でメールは使いません。社外へはさすがにメールも利用しますが、関係性ができている相手ならMessengerやLINEを使用することも多々あります。あとはGoogleドキュメントやスプレッドシートでガンガン内容共有をしながら業務を進めます。この記事も、Googleドキュメントで同時編集を行いながら、数時間で仕上げました。テレビ会議が必要なときは、Googleのハングアウトを利用することが多いですね。


↑この日はたまたま社内にメンバーが集まっていました。同じテーブルにいながら、同じ記事を同時編集していきます。出社しても、リモートでも、やっていることは同じ。日頃からツールに慣れ、コミュニケーションの取り方を工夫しておけば、誰かがその場にいなくても業務は充分に成り立ちます。

三田は基本的に信頼関係をベースに会社経営をしているので、リモートワークが成り立っています。メンバーも縛られるのがイヤなタイプがほとんどなので、社風としてマッチしています。


業種業態、社風、そして現場のメンバーの考え方により、リモートワークの是非は変わってきます。しかし会社を維持するためには、時代に合わせた柔軟性も必要ではないでしょうか。

【付録】緊急時の社員向けメール文面

 明日から社員にリモートワークを行わせることになったという緊急時にお使いください。文言は会社の状況に合わせて、適宜変更してください。


件名:【緊急・重要】新型コロナウイルス流行による、リモートワークについてのご案内
お疲れ様です。管理部の鈴木です。新型コロナウイルスの流行に伴い、健康管理と社内感染防止のため、全社でリモートワークを実施いたします。
【対象者】全社員
【期間】2020年3月2日(月)〜3月13日(金)
【勤務時間】8:00~22:00のあいだで8時間勤務(休憩:60分)
【休日】土曜日・日曜日
※3月13日後の対応は、世間の状況を鑑み3月10日までに詳細を連絡します。
※ルールは以下となります。緊急対応のため、ルールが不明確な面もあるかと思いますが、不明点は管理部までお問い合わせください。順次ルール決めを行い、再度通知を行います。
①パソコン、ツールについて
上記の期間、会社のパソコンを持ち出しOKとします。ただし持ち出す場合は、どのパソコンを持ち出したかの報告を管理部までメールでお知らせください。自分のパソコンがない社員については、自宅のパソコンを使用してください。その場合、ウイルス対策ソフトがインストールされていることを条件とします。
②就業時間について
就業時間は8:00から22:00までの間で、自由に8時間とします。
・始業時は、所属部署のチャットでその旨を流してください
・終業後に、「何時から何時まで働いたか・何時間働いたか・何を行ったか」の3点を所属部署のチャットで流してください。
③ツールについて
予定されていた会議はZoomを使用します。ZoomのURLは会議前に所属長が流してください。
④費用負担について
イヤホンやマイクなどのアクセサリ、その他ツール利用が必要なときは上長に申請してください。高価なものでなければ基本的に承認とします。また、通信料、光熱費、飲食代については自己負担とします。
本件に関して不明な点がありましたら、管理部までご連絡ください。以上、ご対応よろしくお願いいたします。

※万が一、新型コロナウイルスに感染した疑いが出たら、すみやかに管理部鈴木まで報告してください。出社せず、厚生労働省「帰国者・接触者相談センター」に連絡してください。帰国者・接触者相談センター


お読みいただきありがとうございました。株式会社Flucleは、「働くをカラフルに」というスローガンの元、働きやすい社会の実現を目指しています。

 

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