人事労務担当者の困りごと。現場の「人」に関するストレス3選と、効率化のポイント

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人事労務は、「人」にかかわる仕事。しかし、日常の業務では採用管理や給与計算などの「管理系」に忙殺され、人材に関する仕事に向きあえない…という悩みを持つ担当者が多いのが現実です。

現場の課題は「手続きの多さ」だけではありません。実は、人事労務担当者のストレスも「人」とのコミュニケーションにあることが多く、精神的な負担が大きくなっているのです。今回は、人事労務担当者が現場で直面する「人」に関するお困りごとにフォーカスしてみます。

人事部がある会社なんて、少ない

人事部は、従業員の配置や社会保険料の計算など、人に関する業務を行います。大企業であれば、必ずといっていいほど人事部があり、複数人で労務管理するため個々の負担が少なくなっています。

しかし、小さな事業所や個人事業主の場合は人事部がなく、全て自分で労務管理しなければならない場合がほとんどです。また、中小企業でも人事部がなく、経験がないのに社長に労務管理を任されたり、兼任させられたりすることもあります。

労務管理は、会社の利益に直接繋がらないため、ないがしろにされている傾向もあり、なかなか仕事内容で評価されない悩みもあるでしょう。

さらに、人の今後の人生を決定づけるような判断を迫られる場面もあるなど、精神的な負担も大きい業務と言えます。

現場が直面する、「人」に関するストレス3選

労務管理の経験もないのに、急に1人で担当させられると、さまざまなトラブルが起こる可能性があります。労務管理は、マニュアル通りに進めればいいわけではなく、覚えることも非常に多いため、さまざまな苦労を重ねて管理の質を高めていくしかありません。

このような人達が経験する、「人」に関するストレスエピソードを3つご紹介します。

現場の上司と後輩との板挟みがつらい!

上司の質はさまざまで、中には高圧的な態度で追い込みをかけ、強引に成長させる上司もいます。全ての従業員が上司のプレッシャーに耐えられるわけではなく、場合によっては大きなストレスが溜まり、うつ病で休職することもあるのです。

この場合、上司が「うつ病は甘えだ!」などといい、復職させるよう人事に強く要求してくるケースがあります。この要求を呑む必要はなく、うつ病が改善するまで休職させることが大切ですが、気持ちとしては上司とその従業員との板挟みになってしまうでしょう。

ましてや、その上司と自分が同じ部署で、後輩が休職することにもなれば、さらに精神的な負担が大きくなります。

社長と退職者との板挟みがつらい!

実質のリストラで退職者が出た場合、会社都合退職となります。社長によっては、会社都合退職であるのに自己都合退職にするよう要求してくるのです。これは、会社都合退職にすることで賠償金を請求されるリスクを伴ったり、解雇予告手当金の支払いが必要になったりする場合があるためです。

退職者としては、自己都合退職にされることで失業手当を受け取れるタイミングが遅れ、生活に支障をきたしてしまいます。会社都合退職を自己都合退職にすることは、労働基準法に抵触するため、行うべきではありませんが、社長から強く要求されると従わざるを得ないのが実情でしょう。

場合によっては、退職者から恨まれることもあるなど、何かと心労が絶えないのが労務管理のつらいところです。

解雇対象にすべきかどうか悩みすぎる!

解雇は簡単にはできず、就業規則で定めた条項を満たしたうえで、本人や上長と話し合い決定する必要があります。解雇対象にすべき事案であるものの、その従業員とプライベートで付き合いがあり、解雇しないでほしいと訴えられるケースがあるのです。この場合、解雇対象にすべきかどうか悩みすぎることで、ストレスが溜まってしまいます。

解雇にした結果、その人物と疎遠になったり恨まれたりすることもあるでしょう。このように、従業員の今後の人生を決める重要な決定を下す場合もあるため、精神的な負担が大きい役職と言えます。

労務管理でよくある悩みは、経験豊富な上司がいればアドバイスを求めることで解決できるでしょう。しかし、自分しかいない場合は、全て自分で解決することになります。

 

でも、労務管理はとても大切!

上司や部下、そして決断を下さなくてはならないという重責に日々耐えている人事労務担当者の心労は、想像以上のものです。しかし労務管理は、全ての会社に必要な業務です。労務管理の質が低いと、現場の従業員のモチベーションが低下し、結果的に業績低下や人材の流出につながる恐れがあります。労働基準法など法律を尊守し、働く人の権利を守るために行動することが大切です。

労務管理を高いレベルで遂行することで、次のようなメリットを得られます。

モチベーションの向上

労働基準法を守り、労務管理することで、結果的に働きやすい環境となります。働きやすさは、社員の自分の仕事に対するモチベーションを上げ、パフォーマンスを発揮しやすい会社をつくります。その結果、会社の業績と安定性がアップするでしょう。

ただし、今までの労務管理の方法に固執し、従業員の意見に耳を貸さないケースでは、気づかないうちに働きにくい環境をつくり出している可能性があります。現場の従業員の声が労務管理者に届くような取り組みも必要です。

人材の確保

労務管理が充実している会社は評判もいいため、優秀な人材を確保しやすくなります。従業員が退職しても、退職者が会社の働きやすさについて語って回ることで、さらに評判がよくなることも期待できます。

人材は企業の利益を支えるため、質の高い労務管理は会社の収益アップに直結するのです。しかし、労務トラブルによる退職が多いと、会社として一般的な基準を満たしていないと判断される恐れがあります。

訴訟リスクを抑える

労務管理ができていない場合、従業員がそれを指摘し、正当な扱いを要求する可能性があります。現代では、容易に情報収集できるため、労働基準法に抵触している環境では訴訟リスクを伴います。

訴訟が起こされると、会社の評判が大きく落ち、収益性や安定性に悪影響が及ぶでしょう。質の高い労務管理ができていれば、訴訟のリスクを大きく抑えられます。

 

現場から声を上げ、時代の変化についていく

労務管理が大変といわれるのは、紙面での管理が多いことも理由のひとつです。近年では、Web上やデジタルで管理できる便利なツールもあるため、積極的に導入することをおすすめします。

働き方改革による副業解禁など、労務管理が行うべき業務は増えてきており、それだけ効率よく進めていく必要があります。特に、小さな会社は早く労務管理の体制を整え、必要な制度を速やかに導入しなければ、会社の収益や安定性に悪影響が及ぶリスクを回避できません。

また、効率的に進めるとともに、コストをできるだけかけないことが大切です。大規模なシステムの導入には、高いコストがかかります。コストの元を取るまでに膨大な時間が必要であれば、経営者はOKを出しません。

しかし人事労務の現場から声を上げなければ、時代に合った効率的なシステムの導入はなかなか進みません。会社の下支えをもっと強くするため、効率の悪い部分に目を向け、解決の糸口を探してみてください。

最近普及し始めてきたクラウドサービスは、紙での管理からデジタルに移行するだけで効率化を図れるため、高いコストがかかりません。

「人」の問題を扱う人事労務だからこそ、手続きなどの「管理に関すること」は迅速に効率化し、人材について・コミュニケーションについてという、人事労務の根幹に当たる業務の底上げに取り組んでいくことをおすすめします。

 

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