朝礼は悪?出社しないリモートワークで、社員同士をつなぐもの

働き方改革

会社は朝礼に多くのコストをかけている

リモートワークという働き方が広まってきましたが、「朝礼があって当たり前」という会社もまだまだ多いことでしょう。

朝礼の良し悪しは、一言ではいえません。そこには、リモートワークの課題である「コミュニケーション」「素早い情報共有」などを一気に解決する要素がたくさん詰まっているからです。

しかし「朝礼に意味はない」と考える人も増えてきています。「わざわざ同じ時間に行って、ムダな話を聞いて…という時間があったら自分の仕事に取り掛かりたい」と思っている人も多いでしょう。

会社側にとっても朝礼は大きなコストです。
たとえば20人の部署で、15分の朝礼をした場合、20×15、すなわち300分を朝礼に費やしていることになります。1人1人から見たら15分ですが、会社は5時間ものタイムリソースを朝礼につぎ込んでいるのです。

出社しないとコミュニティに接続できない?

では、日本式の会社にはどうして「同じ時間に出社し、朝礼に出る」というシステムが定着しているのでしょうか。

それは、「同じ環境にいる」そのこと自体が、共通言語を生み出してきたからです。

今も昔も、会社はさまざまな思いを持った人の集合体です。
働く目的も、それぞれ違います。

しかし、働く上での「目指す目標」…たとえば新製品のリリースに向けて、目標数字に向けて、また会社の繁栄に向けてという目標から全員の気持ちがずれてしまっていては、社会に価値を生み出すことはできません。

そのため、価値観の違う多数の人の意識を「短時間で」同じところに落とし込むために、「同じ顔触れが、同じ時間に出社して揃う」というシステムを有効活用してました。

出社して同じ環境下で一緒に過ごすことは、違う価値観を持ったメンバー同士の、コミュニティへの接続をうながし、メンバー間の共通言語をつくり出すためには、有効な手段です。

たとえば会社近くのカフェの新商品の話題、隣の課に入った新入社員の話、オフィスの気温から上司の機嫌の話まで、「同じところにいる」ということ自体がある種の共感を呼び、ハイコンテクストな日本型組織をつくり出していたのです。

終身雇用、一生同じ会社に属す、というスタイルが当たり前だった時代では、「朝礼」はその1日の社員をまとめ上げるために、それなりの役割を果たしていたといえるでしょう。

しかし、リモートワークの場合はそうはいきません。

週に5日、同じ環境に接続しているスタイルとは違う、共感フローが必要になっていくのです。

場所でつながらないなら、仕事でつながるしかない

出社型の組織は、ともすれば「どんなに仕事がイヤでも、出社すれば場につながれる」という便利な面を持っています。

しかしフルリモートの場合は、仕事に対してネガティブな気持ちを持っているメンバーが少しでもいると、組織はうまく回らなくなってしまいます。

なぜなら、メンバーをとりあえずつないでいるのは「場」ではなく「一緒に取り組んでいる仕事」だからです。

もちろん、「つなぎ」となるのは現場の仕事だけではないでしょう。会社のミッションへの共感、責任感、もしかしたら高い給与や福利厚生かも知れません。

しかし何にせよ、会社・メンバーに対するプラスの意識が必要となります。

これは今まさに必要といわれているエンゲージメント(会社に対する愛着心・思い入れ、さらに個人と組織が一体となり、双方の成長に貢献しあう関係)に関することでもあり、これからリモートワークを取り入れていきたい、というときに無視はできない意識なのです。

働き方の多様性を受け入れる土台はできていますか?

リモートワークをはじめとする「多様な働き方」は、よい面もありますがリスクもあります。「とりあえず、やっておくと見栄えがよいから」という理由で安易に導入しても、デメリットを引き受けるだけで終わってしまうでしょう。

まずは、社員同士が「場所ではなく、仕事でつながることでコミュニケーションが取れているか・取れそうか」を見定める必要があります。

リモートワーク導入の先には「生産性の向上」と、「会社の価値の向上」がなくては、意味がありません。

まずは現状を把握し、多様性を受け入れる土台ができているかを確認してみてはいかがでしょうか。

 

 

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