副業の解禁 企業にメリットはある? むやみな解禁がベストな選択ではない理由と、リスクを下げるための注意点

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以前まで、副業は会社に隠して行うもので、会社にとって副業解禁は「危険」とされていました。これは、副業によって本業である会社の業務の質が下がったり、健康状態が悪くなったりと、会社側にデメリットしかないと考えられていたためです。

しかし、2018年には企業が働き方改革の一環として副業を推進するようになり、社会の副業に対する見方が変わってきています。

ただ解禁すればいい、ってわけでもない

副業解禁が進んだ理由として、終身雇用の瓦解、大手の副業解禁、経済悪化による収入減少などがあります。副業をむやみに禁止すると、会社への不信感や将来の不安などが高まり、結果的に副業を許可している企業への人材流出に繋がる恐れもあるため、積極的に許可していく方が得策です。

しかし、副業解禁を焦り、とにかく何でも許可する姿勢では、会社側に悪影響が及ぶ可能性があります。必ずしも、社員全員が副業を希望しているとは限りませんし、副業対象者だけを優遇することで、副業を希望していない人の不満が高まっては、会社の士気が下がってしまうでしょう。

また、副業は公務員以外であれば、特別な手続きなく開始できますが、長時間労働や心身への負担が大きい職種の場合は、副業導入にはリスクもあります。

重要なのは、働き方の1つとして、副業を選べる環境があること。働く上でより多くの選択肢が用意されていれば、社員は最良の方法を選び、自分らしい人生を過ごせるようになるでしょう。

逆に、副業のむやみな禁止は、社員のモチベーション低下や退職などのリスクを高めます。選択肢が少ないことで、会社に人生を「縛られている」と感じてしまう可能性があるからです。

 

副業解禁の4つのメリット

会社にとってデメリットが大きいと思われがちな副業ですが、これは社員が副業を隠したり、そもそも会社が副業の可否について曖昧にしたりした場合。副業解禁が、会社と社員にとってベストな結果となるように環境を整えることで、デメリットは解消できます。

副業に関する労災の適用や雇用契約上の手続きなど、副業の運用ルールを厳密に定めておくことで、トラブルは未然に防げるでしょう。そして、次のような副業のメリットを得られ、会社と社員の双方にとって良い結果となります。

メリット①収入が増えてモチベーションが上がる

副業で全体の収入が増えることで、生活の質が上がります。収入が少ないと、将来に不安を感じたり、無理な節約をしたりして、心身ともに負担がかかるでしょう。そのような状態で、本来のパフォーマンスを発揮することはできません。

収入アップにより生活環境や趣味にお金が使えるようになると、必然的に業務に対するモチベーションが上がります。モチベーションが上がれば、成長も進み、パフォーマンスが発揮されやすくなります。結果的に、会社の業績向上に繋がるでしょう。

メリット②スキルアップによる業績の向上が期待できる

副業が会社の業務と類似しているかどうかに関係なく、スキルアップによる業績向上が期待できます。

会社の場合、営業担当が獲得してきた案件を担当するだけですが、副業の場合は自分で案件を探す必要があります。この時点で営業力が必要となり、スキルアップに繋がるでしょう。

たとえ会社の業務と全く異なる副業でも、物事に対する新たな視点を身に付け、斬新なアイデアが出るようになれば、会社としても「自社以外でスキルを積み、本業に活かしてくれる優秀な社員」を手に入れたことになります。

メリット③人材の流出を防止できる

副業解禁が進む中、副業を禁止してしまえば、人材の流出に繋がります。逆に、副業ルールをしっかり定め、働きやすい環境を整えれば、人材の流出を防ぐことができるでしょう。副業によって優秀な人材が育ち、会社に定着しやすくなるため、収益の安定にも繋がります。

メリット④副業による人脈の獲得ができる

副業で他の職種の人材との人脈を獲得できれば、それを会社の事業拡大に利用できる可能性があります。

社員が副業で得た人脈は、その社員の資産のため、会社が利用できるかどうかは本人の考え方で決まります。そのため、必ずしも人脈を利用できるわけではありません。しかしながら、事業拡大の機会が増えることに変わりはないため、企業にとっては大きなメリットです。

 

副業解禁、リスクを下げるための注意点は?

副業解禁の際には、あとでトラブルが起こらないように、体制を整える必要があります。次のような注意点を押さえましょう。

就業規則で定める

副業解禁にともなうリスクを下げるには、とにかく「ルール」を明確にすること、これに尽きます。

まず、社員は不安に思っています。

「うちって副業していいのかな?」
「先輩が副業しているみたいだけど、それってどうなんだろう…?」
「そもそも、副業はOKですかなんて誰に聞いたらいいか分からない」

もしかしたら部下に「副業可否」を問われても、はっきり返事ができない管理職もいるかもしれません。しかしそれではいけません。

副業に関するルールは、就業規則で定めます。もし副業を解禁するなら、就業規則への追記が必要です。

また、会社の業務より副業に力が入ると、その社員の業務パフォーマンスが低下する恐れがあります。本業に支障をきたす形では副業できないことも、就業規則で定めましょう。口頭で注意するだけではなく、就業規則で罰則まで定めておけば、副業が会社に悪影響を及ぼすリスクを抑えられます。

その他、会社の情報漏えいや会社の信用を失墜させる行為、会社の利益を害する内容の副業などを禁止するルールを設けましょう。

過去の事例・モデル就業規則を参考にする

副業に関する過去の成功事例やトラブル事例を参考にして、就業規則を定めることが大切です。何もかも許可すると、副業と本業が曖昧になり、トラブルが起こるリスクも高まるからです。最近では、副業を許可している会社のブログなども多くアップされています。導入に成功した会社の事例を役立てましょう。

トラブル事例は、主に社員サイドの発信で見つけることができます。また労務問題に強い弁護士のサイトなどでも、会社が注意すべきトラブルを知ることができるでしょう。

厚生労働省が適宜改定をしている「モデル就業規則」に目を通すこともおすすめします。
2018年1月には、副業・兼業に関する規程を新しく追加する形で、改定がなされています。

必ずしもモデル就業規則と同じにする必要はありませんが、その内容と改正の動きを見ておけば、副業をはじめとする働き方の変化の流れをつかむことができます。

コミュニケーションをしっかりとる

会社としては、副業にかける時間や収入、種類などを把握したいところですが、詳細な情報を会社に伝えることは法律で義務づけられていません。そのため、日ごろからコミュニケーションを密に取り、副業の詳細を共有しておくことが大切です。

また、コミュニケーションを積極的に取ることで、副業関連の第三社へ会社の情報を漏えいされるリスクを抑えられます。その他、副業に集中するあまり、会社から気持ちが離れてしまうことを防ぐ効果も期待できます。

副業をする社員の健康に気を配る

会社での労働は、労働基準法に基づき、休憩時間や休日の頻度、回数などが定められていますが、副業は個々が自由に決められます。そのため、会社がどれだけ健康に配慮した労働環境を整えていても、副業によって健康状態が悪くなる場合があります。

副業によって健康状態が悪くなり、本来の業務に支障をきたしていないか、定期的にチェック・管理しましょう。

 

副業を解禁するかどうか、会社のスタンスを決めるのは経営層

いくら副業のメリットを知っても、業種的に解禁が難しい…というケースもあるでしょう。また社風として、副業はさせない方がいいという判断もあってしかるべき。

「解禁する」だけがベストなのではなく、社員に、「うちの会社としては、こういうスタンスです」と、明確にしてあげることが大切なのです。

そうでないと、「自分のスキルを外で磨きたい」「収入を上げたい」という社員の選択肢は、「隠れて副業をする」もしくは「退職をする」しか、なくなってしまいます。

今まで「副業なんてあり得ない」と考えていた経営者や管理職も、時流にあわせ、副業について再考をしてみることをおすすめします。その結果の「解禁しない」は、あなたの会社の在り方。きちんと理由とルールを社員に伝え、理解が得られれば、あなたの会社に合った社員が集まってくれることでしょう。

 

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