だから、この仕事は面白い。
全国各地で活躍されている社労士の方々に、「現場の声」をお聞きしました。
日々の業務で感じるやりがい、そして社労士として見据える未来の姿。
一つひとつの言葉が、明日への活力や新たな気づきとなれば幸いです。

原口社会保険労務事務所
原口 健
Motivation
この30年間、労務トラブルに悩む経営者に真摯に向き合い、解決へと導いてきました。その度にいただく感謝の言葉が、変わらず私の原動力です。「ありがとうございます」と心から感謝されて報酬までいただける、こんな素晴らしい職業はそうありません。
私が大切にしているのは、経営的な視点です。法律論だけでなく、人の配置や組織の状況が会社に与える影響を数字として見える化し、経営の観点から最適な解決策をご提案しています。経営者も従業員も納得できる落としどころを見つけることで、組織崩壊の手前で会社を守ることができたケースを何度も経験しました。
解決して喜ばれるだけでなく、その信頼がさらに次の仕事の紹介につながり、経営者からも、一緒に仕事をする弁護士からも信頼され、クライアントを紹介いただける。このサイクルが、何よりのやりがいです。
Vision
先代所長である父は85歳まで現役社労士として働いておりました。私もいま57歳なので、この先30年、いつまでもお客様から求められる存在であり続けるために、生涯学び続けたいです。サラリーマンですと役職定年やもうじき定年退職を迎える年齢になりましたが、「もう程々でいいや」と現状に満足した瞬間、新しい投資も勉強もしなくなってしまいます。
楽しく勉強するからこそ、10歳も20歳も年下の若く優秀な仲間たちと対等に付き合い、色々な情報交換ができますし、何よりも、若い先生たちとワクワクした話をするのは、自分にとってかけがえのない時間です。
この士業という仕事の素晴らしさは、勉強したことがそのままお客様への提供価値となり、自分にも還元されること。やる気があって、磨き続けられる限り、ずっと面白く仕事ができる。その魅力を、後輩たちにも伝えていきたいと思っています。

TERAMOTO社会保険労務士法人
寺本 健太郎
Motivation
お客様から色んなことを学べるのは、この仕事ならではのやりがいです。社労士は、人事労務という深い問題の相談先だからこそ、経営者が誰にも言えないような考えや悩みを、ダイレクトに聞くことができます。もちろん私たちもお客様に価値を届けますが、それ以上にお客様である経営者の方々からたくさんのことを教えていただいています。
私自身も事務所を経営していますが、やはり「知っている」ことと「やる」ことは別物です。実際に経験されてきた経営者の言葉の重みは違います。
自分一人では決して経験できない苦悩や気づきを共有いただき、学ばせてもらえるのは、本当に素晴らしい職業だと思います。
Vision
今は時代の大きな変化の時期です。すでに、知識提供はAIやシステムが一定程度担うようになり、一方で社労士は、企業の意思決定や判断のプロセスに深く関与することが仕事になってきています。例えば先日、リファラル採用を導入したい企業に対しては、制度設計だけでなく、役員会での提案や社内展開の方法まで含めたサポートを行いました。
これまでは「情報を提供するけど決めるのはあなた」という距離感でしたが、今後は判断するプロセスも含めて責任を持って関わっていく形に変わっていきます。単なるBPO的な業務の切り出しではなく、社内の業務全体の設計や推進まで含めた支援です。
私自身この変化をしっかりと捉え、より踏み込んだ価値提供へとシフトしていきたいです。
これから社労士として仕事をされる方々も、時代の変化を恐れずに、技術を味方につけて自分らしく頑張ってほしいと思います。

真田直和社会保険労務士事務所
真田 直和
Motivation
経営者や担当者は相談する人がいなくて、モヤモヤを抱えています。まずは誰かに聞いてほしいとき、一番に声をかけていただきお客様に寄り添えることが、この仕事のやりがいです。
たとえネットで調べればすぐに分かるようなことでも、初めての方にとっては本当にわからないんです。プロ化すると当たり前になって、お客様の困りごとに気づかなくなってしまう。だからこそ、手続きの有無に関係なく自由に相談ができるサービス設計にしていて、どんな些細な相談でも、素早く丁寧に答えることを大切にしています。そうしてお客さまが「聞いてもらえてよかった」とホッとされる瞬間が、何よりも嬉しいですね。
Vision
AIで答えは簡単に手に入りますが、実際に自分でやるのはとても大変です。だから皆だれかにお願いしますし、そこに専門家の存在意義があります。これからの私の役割は、知識の提供よりもさらに一歩踏み込み、企業の伴走者として一緒に実行していくことだと考えています。
また、もう一つ力を入れたいのが、障害者支援です。障害の程度にはグラデーションがあって、日常生活に若干の不具合があるだけで、能力は私より優れている方もたくさんいます。目が悪い人がメガネをかけるように、不便を取り除いて本人の能力を活かせる環境を作れば、もっと多くの方が活躍できるはずです。
障害者雇用は企業にとってハードルが高く、賃金も低い状況です。しかし、人手不足のいま、業務を切り出して誰かに任せることができれば、企業も労働者もWin-Winになります。これまで培った人事評価制度の設計や、業務の分業化・仕組み化の経験を活かし、障害者の方と企業のマッチング、そして彼らが活躍できる環境づくりに積極的に取り組んでいきたいと考えています。

ウッドエイト社会保険労務士事務所
八木 香苗
Motivation
「この人、やめさせたいんだけど」という相談から始まることがあります。でも、話を掘り下げていくと、本当にやめさせるべき人というのはほとんどいないんです。
ヒト、モノ、カネ、情報——すべてを動かしているのは「人」です。組織は「人」がいなければ始まりません。特に中小企業では、1人が与える影響がとても大きいので、ご相談を表面的に受け止めるのではなく、あくまで中立的な立場で、その企業にとっての最善を見抜いてご提案するよう心がけています。それが最終的に、社員さんの活躍や組織の成長につながったとき、この仕事に誇りとやりがいを感じます。
その過程では、経営者から話を聞くだけでなく社員さんと面談をしたり、時には管理職の方に直接アドバイスをさせていただくこともあります。そうして双方と冷静に向き合うことで、課題の核が見えてきて、解決に向かうことができます。数ヶ月後のある日、「あの人、最近すごく頑張ってるんだよ」「人が変わったみたいだ」という声をいただく。その瞬間、「やってきてよかった」と心から報われます。
Vision
組織で働く人たちが、それぞれの会社で安心して活躍できる環境作りを、これからも続けていきたいと思います。
基本は、法律をきちんと守り、労務管理や各種手続きを適切に行うこと。そしてその土台があってこそ、例えば妊娠出産を迎えた従業員さまが「子どもを産んでも、育休をとってちゃんと復帰できる会社なんだ」と実感できます。そうした個々の事情にも対応できる組織環境の整備は、まだまだ道半ばです。
一人ひとりが力を発揮できれば、会社は利益を出し、持続的に成長できる。そのために必要な支援は、お客さまによってさまざまです。面談、研修、人事制度の構築、就業規則の整備、労働時間管理の見直し——状況に応じて最適な手段を選び、実行していきます。ご縁があった皆さまが、思う存分活躍できる組織にする。それがこれからも変わらない目標です。

こころ社労士事務所
香川 昌彦
Motivation
私は定期的に従業員面談を行っています。普段は上長や社長に言えないことを丁寧に聞き取り、当事者だけでは解決できない課題を、私が第三者の立場で紐解いていく。そうして、従業員さまがまた活き活きと働けるようになり、経営者からも「ありがとう」と言っていただけることが、大きなやりがいになっています。
5年前の開業時は、未経験で技術や知識が乏しい状態でのスタートでした。しかし、自分には過去に職場で苦労し、さまざまな困難を乗り越えた経験があったので、法律だけではない自分ならではの知見を活かして、より良い職場づくりに貢献しようと考えてやってきました。
仕事はお金を稼ぐためだけではなく、それ以上の価値があります。会社のビジョンと従業員さまの未来の夢を重ね合わせられれば、会社も幸せ、ご本人も幸せになる。その架け橋になれたとき、そして自分の経験が誰かの役に立ったと実感できたとき、この仕事に心から深いやりがいを感じます。
Vision
私の経営理念は、「個性を活かして幸せに働く職場づくりをし、こころの元気100%の社会を実現する」こと。働きたくても働けない方、能力を発揮したいけど発揮できない方——それぞれの事情を「工夫」によって乗り越え、色々な働き方が実現されるような会社の仕組みを、提案していきたいと思っています。
そのために大切なのは、仕組み化と可視化です。テクノロジーを活用して、例えば誰かが急に休んでも仕事の状況が把握でき、スムーズに引継ぎがなされる。やりがいを持って働きつつ、いざというときは休んでも大丈夫という安心は、障害のある方だけでなく、育児中の方にも共通する働き方です。まずはそれを自社で実現し、お客さまにも広めていく。社労士は法律を起点に「これダメあれダメ」と言ってしまいそうな立場ですが、そうではなく、共通のルールのもとに会社と従業員さまの未来を一緒に作る存在でありたいと考えています。
coming soon…

社会保険労務士法人みらいパートナーズ
三浦 修
とまと社労士オフィス
名城 志奈

Interview

社労士はこれから「より深く、より強く」なる。 -50年の歴史とAI時代の展望-
時代の大きな変化の中で、社労士の価値はどう進化していくのでしょうか。業界の変遷を第一線で見つめ続けてきた大野実氏が、次世代の先生方へ送る力強いメッセージ。ぜひご一読ください。