お話いただいたのは
事務所名 | 社会保険労務士法人NEXPERT |
所在地 | 東京都渋谷区 |
代表 社会保険労務士 | 田名網啓陽さま |
顧問先数 | 50社 |
HRbase PRO導入時期 | 2021年12月 |
営業職を経て社労士へ!労務への探求心とフットワークの軽さで切り拓くキャリア
ーもともと営業職でいらっしゃいましたが、社労士を目指したきっかけを教えてください。
田名網
社労士資格を取得するまで、3回のチャレンジがありました。
初挑戦は大学在学中で、キャリアの幅を広げるための挑戦でしたが、惜しくも不合格でした。新卒で医療業界へ進み、営業職として働くうちに職場環境をよりよくしたいと考えるようになり、2度目の資格取得を試みました。
合格には届きませんでしたが、この経験を通して、評価制度の公平性や労働環境の向上に直接かかわる仕事をしたいとの思いが一層強まりましたね。
その後、3回目のチャレンジで念願の合格を果たし、同社の人事労務部に異動します。そこでは業務改善の提案を続けていましたが、より適切に評価され、安心して働ける職場を実現するための制度づくりに携わりたいと強く感じたため、社労士事務所に転職しました。
ー田名網先生の労務への情熱とフットワークの軽さの賜物ですね!その後、独立されたきっかけは何だったのでしょうか?
田名網
スタートアップや医療に強い税理士法人の事務所が、社労士部門も立ち上げるということで声をかけていただきました。その後、個人事業主としての「NEXPERT社会保険労務士事務所」を経て、現在の会社「社会保険労務士法人 NEXPERT」となり3年になります。
迅速なレスポンスの秘訣は、ITリテラシーの高さと豊富な労務知識
ー現在の社内体制を教えてください。
田名網
現在、社労士部門では8名在籍しており、うち2名は産休を取得中です。
社労士資格は、私を含め3名が取得しています。今はこのメンバーで50社の顧問先をサポートさせていただいています。
ー50社も顧問先があると情報のキャッチアップが大変かと思うのですが、どのように業務分担されているのでしょうか。
田名網
顧問先には2つのチームに分かれて対応しています。以前は1つのチームにて私がすべて指示を出す形で進めていましたが、より丁寧なサポートを提供するためにチーム編成を行いました。
信頼できるメンバーが入社してくれて、安心して任せられているおかげですね。
ー日々お客さまとやりとりする数も膨大だと思いますが、心がけていることを教えてください。
田名網
労務相談が来たら、第1次レスポンスをいかにスピーディーに行うかを意識しています。
回答が遅れると満足度がグッと下がってしまうため、まずは自分の見解を送り、のちほど根拠となる資料も合わせて送るように心がけていますね。やり取りはチャットツールで、スムーズなコミュニケーションを重視しています。
お客さまとのスムーズなコミュニケーションが質の高い顧問業務につながるので、有料ツールにも惜しみなく投資します。そのなかのひとつがHRbasePROですね。
ーHRbasePROをご導入された当初の印象はいかがでしたか?
田名網
営業担当の方が、すごく熱心に伴走してくださったんです。資料の活用法を献身的にサポートしてくださり、よい意味で商売っ気がまったくなかったですね(笑)。一緒に歩むビジネスパートナーという印象でした。
ーありがとうございます。弊社の強みは、社内に労務の専門家が揃っており、質の高い資料を提供し続けることにこだわり、それを届けたいと強く思う社員がいる点です。
田名網
すごく伝わりましたよ。おかげさまで現在も、3〜4名のメンバーがHRbasePROを活用しています。
労務マガジンを駆使!積極的な情報提供で徹底的に満足度を追求
ー普段はどのようにHRbasePROを活用していますか?
田名網
労務マガジンを活用して、顧問先へ積極的に情報提供をしています。
顧問先とは月に1回のオンライン面談を実施しているのですが、面談の前に労務マガジンをメールで送付し、当日はそのマガジンを画面共有しながら解説すると大変喜んでいただけます。
特に法改正や助成金についての情報は、こちらが先回りをしてお知らせしないと「知らなかった」とご不満を持たれるケースが多くあります。メールでそのままサッと送れるのも手軽でありがたいですし、労務マガジンのおかげで顧客満足度は確実に高まっています。
ーこれまで事務所通信のようなものはつくられていましたか?
田名網
特につくっていませんでした。
良質なコンテンツを制作するには、調べる手間や読ませる工夫にかなり労力を使いますよね。顧客対応に時間を使っているスタッフが行うのは本質的ではないなと考えていました。
そして、HRbasePROの資料はとにかくわかりやすいんですよ。内容の正確性や根拠資料の豊富さはもちろん、わかりやすさにこだわって制作されているのがよく伝わります。これは自分たちでは実現できない部分ですから、コンテンツ制作のプロにお任せできていることにも、投資している価値を感じていますね。
年1回の算定基礎や年度更新も怖くない!労務管理ガイドがスタッフをサポート
ー他に活用されている機能はありますか?
田名網
労務管理ガイドの「従業員が入社するとき」や「従業員が育休に入るとき」のフローチャートは、新しいスタッフに手続きの全体的な流れを把握してもらうときによく見てもらっています。
あと、年に1度しかない算定基礎や年度更新のときこそ、労務管理ガイドのフローチャートが大活躍ですね。こちらも初めて行うスタッフには全体像を見て手続きの流れを勉強してもらっています。
厚労省のマニュアルに比べてかなりわかりやすく、新しいスタッフへのサポートツールとして役立っています。
ー新しく入社したスタッフの方に、もっとHRbase PROを使っていただくためのご要望などありますか?
田名網
私自身は労務相談AIを活用した業務効率化ができていますが、新しいスタッフではプロンプトを考えるための知識がまだ追いついていないことも多く、使いこなすのが難しいこともありますね。
そのかわり、HRbasePRO内の資料が増えたり、関連性のある資料をより多く提示できるようになったりと性能がどんどんアップグレードしているのはすごくありがたいです。
知識が充分ではなくても「次に何を聞いたらよいんだっけ?」とならずに質問文が思い浮かぶようなサポート機能があれば、もっと助かると思います。
ー今後は、AIからの質問レコメンド機能も実装予定なので、ぜひご期待ください…!
本質的な労務課題解決には、ITリテラシーが必須の時代へ
ー先生ご自身がITに強く、スタッフもITリテラシーの高いメンバーを採用されていますが、社労士業務とITの関連性についてどのように考えられていますか?
田名網
顧問先の課題解決に充分に伴走するためには、ITツールの活用は必須です。
たとえば給与計算ミスを徹底的になくすことができれば、ルールの解釈に時間を多くさけますよね。どう解釈すれば顧問先の課題を解決できるのか、突き詰めて考える時間を多く取るべきではないでしょうか。
そうするためにも、ツールの中で「ミス防止チェックリスト」が作成できたりするとありがたいなと思います。
ー複雑な労務相談では、多くの視点からの解釈が必要ですよね。ミスの防止のために、今はどのような対応をされているのでしょうか?
田名網
現在は、自前でチェックリストを作成しています。たとえば勤怠管理など各業務に特化したITツールは多くありますが、それぞれのシステム連携ができないことも多く、結局自分たちで記録するか、CSVでインポートするしかないんです。
その手間をITツールが解決してくれると、私たちももっと顧問先の課題に向き合う時間がとれるので、今後のITツールの発展には期待したいです。
ーツール間の連携についてはまだまだ現場で先生方にお手間をとらせてしまっているので、私どもふくめSaaS業界が連携していかなければいけないと身の引き締まる想いです…!
本質を捉えたスピーディーな対応こそが、真の顧客ニーズ追求の道
ーIT活用も含め、これから社労士先生に求められることはもっと増えていくと思います。
田名網
そうですね。私たちの仕事は、お客さまの抱えているトラブルを解決するため、建設的かつ具体的な回答をスピーディーに出し続けることです。
労務のプロである私たちにお客さまが求めているのは、単なる法律上の解釈など、通り一遍の回答を伝えることではありません。しかしお客さまにヒアリングすると、これまでのご経験の中から「相談しても一辺倒な回答しかもらえなかった」「質問したのを忘れたころに回答がやってきた」という課題をお聞きすることもあります。
ーその課題に対し、どのような価値提供を行っていかれますか?
田名網
このあたりこそ、HRbase PROで解決できると考えており、労務相談AIでスピーディさをまかないつつ、お客さまの真のニーズに向き合う時間をたっぷりとることが必要だと考えています。ITツールを駆使して業務効率化することが真の目的ではなく、その先にある課題解決伴走に力を注ぎつづけないといけません。
たとえば顧問先に対して「残業を減らしましょう」とはいえるけど、実際に具体的な減らし方まで提案できる社労士は少ない。
私自身、中小企業診断士の資格も持っており、中小企業診断士の方たちとの関係性も築いています。残業時間の削減には、中小企業診断士の課題解決能力が不可欠だと考えています。残業時間削減の具体的な提案までセットで行うことで、真の労務問題を解決をしていきたいと考えています。
生成AIの過渡期にいる社労士にとって大切なのは、HRbasePROや有料のチャットツールなど、業務効率化に対して費用対効果が高いと判断したものにはどんどん投資し、お客さまの課題解決に本当に必要なことを判断し、具体的に行動していくことではないかと思っています。