お話いただいたのは
事務所名 | さや社会保険労務士事務所 |
所在地 | 兵庫県姫路市 |
代表 社会保険労務士 | 湯本さやかさま |
HRbase PRO導入時期 | 2023年2月 |
チャンスの神様を逃さず開業
ー開業までのキャリアについてお聞かせください
湯本
神戸市で開業し、もうすぐ2年です。ファーストキャリアはサービス業界でしたが、総務部はあるものの手続きをするアルバイトさんがいるだけで、労務管理は行き届いていませんでした。
24時間365日お休みのない仕事です。朝の7時に出勤してそのまま夜勤という日もあり体を壊してしまうのですが、そのときに「日本の労働の法律はどうなっているのだろう」と思ったのがきっかけで、社労士に興味を持ち始めました。
同僚たちから相談を受けたときに知識があると、アドバイスもできますよね。そう思い勉強を始めると、意外と面白く感じました。
最初の会社を退職し、総務事務の経験が積める転職先に移って実務経験を積みながら1年半ほど学校に通い、資格を取得。合格後は社労士事務所に転職し、4年ほどお世話になりました。よい先生や同僚、先輩に囲まれ、力を身に付けさせていただきました。
ーそのまま社労士事務所勤務を続けず、独立開業したのはどうしてでしょう?
湯本
事務所勤務も楽しかったのですが、友人から「社労士を探している会社がある。1社目の顧問先にどうか」という声がかかったことをきっかけに、独立を決めました。
チャンスの神様には前髪しかないといいますよね。まったくのゼロから1をつくるのと、1を2にしていくのでは全然違います。1社でも顧問先があるというチャンスを逃したくないと、すぐに開業を決めました。
ーそこからどのように顧問先を開拓されましたか?
湯本
初期はご紹介が中心です。ご紹介以外にも、交流会などにも顔を出すようにしており、今はひとりで対応できるギリギリのところまで顧問先が増えています。
シンプルに「労務相談に時間がかかっていた」
ーどのようなプランをご提供されていますか?
湯本
「ご相談のみ」「手続き込み」「給与計算込み」の3プランでご提案しています。特に「相談と手続きを両方やってほしい!」というニーズが多いですね。
ー労務相談はどれくらい来ていますか?
湯本
1か月に1件ペースの顧問先もあれば、1週間に1回ご相談いただく顧問先もあります。
開業直後は、社労士にはじめて相談するという顧問先が多く、本当に基本的なご質問が多く届いていました。たとえば「そもそも社会保険って何」というご質問です。
ー基本中の基本ですね。
湯本
会社設立して間もない顧問先から、「月額変更って何?」「有給って何日あるの?」という質問が結構な頻度で来るような状態でした。
労務管理の基本をととのえていただきたい、お力添えしたいという気持ちは大きかったのですが、電話でご説明してもうまく伝わらず、もどかしい思いをしていました。
顧問先からも「わからないから図で説明してほしい」と言われることもありました。文章にしても図にしても、作成には時間がかかりますよね。私自身、そのような業務が得意なわけではないので、どうすればいいか悩んでいました。
ー労務相談の回答作成に課題をお持ちだったのですね。
湯本
はい。「労務相談に時間がかかっている」というとてもシンプルな課題でした。
確かに相談顧問料はいただいていますが、聞かれて答える、聞かれて答える、それで1日が終わるのがもったいなくて。
業務量の増加とともに、どこに書いたのか、誰に送ったのかを思い出せないことも増えてきて、結局打ち直しをしたり・・・。
だからHRbase PROを知ったとき「これはいい!」と思いました。
時短になるなら費用対効果があると判断し、開業支援プランで導入
ーHRbase PROの最初の印象はいかがでしたか?
湯本
オンラインセミナーをきっかけにHRbase PROを知り、興味を持ちました。わかりやすい日本語で書かれた回答事例が入っており、そのまま活用できるという部分が私の課題にぴったりでした。ネット検索と違い、情報が正しいという点もよかったです。
HRbase PROで文字を打つ手間、情報を調べる手間がなくなるのであれば、私の時間はもっと有意義に使えるのではないか、それなら費用対効果も悪くなさそうだと思いました。
ー開業支援プランで導入いただいていますね
湯本
そうですね。開業して比較的すぐの導入でした。 社労士事務所に勤務していたときは、わからないことを所長や先輩に聞くことができましたが、当たり前ですが独立後は全責任が自分にあります。間違った回答で顧問先に損害を与えてしまうのではないか・・・という不安を払拭したいと思いました。
あわせて、HRbase PROの開業支援プランでは顧問先開拓方法や料金の組み方などの経営相談ができるのも助かりました。
労務の話が苦手な社長に、わかりやすい回答を工夫
ーHRbase PROは業務のどのようなタイミングでお使いになっていますか?
湯本
労務相談が来たり、「これどうだったっけ」というタイミングで即検索します。
資料一覧と、労務相談AIを行き来しながら検索することが多いですね。 たとえば「この単語で検索したら出てきそう」とイメージできる内容ならすぐに資料一覧を使います。
そうではない、マニアックな内容は労務相談AIに聞くことが増えました。単語ではなく文章で質問ができるので、曖昧な質問でも一度打ち込んでみています。
ー労務相談AIが生成した文章は、どのように使われていますか?
湯本
回答文章が出てきたら、一緒に表示される根拠資料で自分の納得度を上げ、最後は顧問先の実情にあわせた情報やご提案を加え、私なりにカスタマイズしています。
労務相談AIだけではなくQA(回答事例)も活用します。頭ではわかっていても文章でどう表現したらいいか困るときがありますが、HRbase PROのQAは表現がお上手ですよね!
ーありがとうございます。専門的かつ一般の方にわかりやすいラインを探って文章をつくっています。HRbase PRO内のこだわりの部分でもあります!
湯本
社労士にとっての「当たり前」は、労務担当者にとってはそうではないことも多いですから、私たちが気を付けないといけないと思っています。
ー他にも、わかりやすい回答作成のために工夫されていることはありますか?
湯本
言葉だけではなく、図解で説明することを心がけています。
HRbase PROで一番使っているのは、入退社の手続き表です。 手続き自体は特に難しくはないと思うのですが、社長さんの中には労務の話は頭の中でシャットダウンされる方もいらっしゃいますよね。そうなると口頭説明では伝わらないし、メールも「文章が長くてわからない」と言われてしまいます。そんなときこのような図があると非常に助かります。
労務相談だけのプランをご提供している顧問先にも、「この図に沿って手続きをしてください」とお送りしていますよ。
ーこのような図解やマニュアルは、今後も追加していきます。ご期待下さい。
湯本
そうですね。回答品質の向上と業務のスピードアップにもつながるため、どんどん増やしていただきたいです。
よく使う文章テンプレーを自社資料として登録
ー労務相談に回答したあと、その内容は蓄積されていますか?
湯本
HRbase PRO内に「自社資料」として登録しています。
たとえば「36協定の押印をお願いします」「年度更新の書類を送ってください」などのように、多くの顧問先に繰り返し使用する文章フォーマットを自社登録するようにしています。
おかげで毎回毎回「緑の封筒が届いたら、私に連絡してくださいね!」という文章を書かなくてよくなりました。時間があれば、お問い合わせへの対応内容も登録しています。
ー緑の封筒のお知らせは、使用頻度が高そうですね・・・。
湯本
自社資料の登録は、複数名の事務所にこそおすすめの機能だと思います。皆さんで持っている情報が違いますし、どの情報が被っていて、どの情報が漏れているかが見えていない事務所が多いのではないでしょうか。
「こんな事例があった」「こう対応した」を共有できると助かるスタッフさんが日本中にいるはずです。
顧問先とのマメなコミュニケーション
ー顧問先とのコミュニケーションはどうされていますか?
湯本
月に1回、法改正のニュースや、「年度更新の申告が始まります」のような季節のニュースをお送りしています。そのときのネタ元として、HRbase PROの労務マガジンを活用しています。
ー定期的なご連絡をしているのですね。ご訪問はされていますか?
湯本
開業当初は訪問をしないスタイルを考えていました。しかしサポートを進める中で、行かないとわからないことが予想より多いことに気付きました。
今は方向転換をして、定期的な訪問やオンラインサポートを行っていますが、顧問先が増えるに従って訪問や打ち合わせが増えており、時間の使い方に工夫が必要だと思い始めています。
ー顧問先の増加は何よりですし、きちんと労務相談が増えていらっしゃるということでもありますよね。
湯本
そうですね。私からも、お困りごとがないか積極的に聞き出そうとしています。先方からは言い出しにくいことも多いですから。
お節介でいい。何でも任せてもらえる事務所を目指して
ー今後はどのような事務所を目指しますか?
湯本
顧問先は小さな会社が多く、起業直後のご支援なども行っているため、高額なコンサルメニューなどは出しにくいですね。
理念がある会社でも、労務管理という土台がガタガタでは成長期につまづいてしまいます。だからこそ初期から顧問社労士をつけてほしいのです。
法定三帳簿をつくるところからどーんとお任せしてほしいですね。そしていつか「きちんとやっておいてよかった」と実感いただきたいです。
ー小回りを利かせて、基礎づくりをお手伝いするスタイルですね。最後に、事務所の今後の展望をお聞かせください!
湯本
世話好きタイプの社労士として、こまごまとした労務管理をお手伝いしていきます。労務からちょっと外れた部分までお節介を焼いておくと、結果的に労務相談につながりますから、当面はこのやり方を続けていきたいです。専門分野を持つ方がよいのかも知れませんが、私はオールマイティ型を目指しています。
開業してからさまざまな経験を積んでいますが、もっと学んで、広い範囲のご提案ができる、会社の仕組みや人事制度でも頼っていただける存在になりたいですね。