【連載】アフターコロナの会社の守り方 その③解雇【業績低下と解雇トラブルを乗り切るには】

コラム, 新型コロナ対策

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2020年は、年初には考えもしなかった1年になりました。現在がアフターコロナなのか、ウィズコロナなのかもまだ明確ではありません。確かなのは、新型コロナウイルス流行が私たちの働き方を大きく変えてしまったということです。

新型コロナによって人と人の接触が制限されたため、これまで保守的だった会社も変化せざるを得ませんでした。その結果、働き方だけではなく、人の意識も大きく変わっていきました。

コロナで変わったワーキングシーン7つ

アフターコロナ

客先を訪問して間関係をつくるところから始まっていた営業も、パソコン上での営業がレギュラーになりつつあります。付随して、データを社内サーバからクラウドへと移行する会社が急増。自粛要請期間中は、書類管理や押印のためだけに出社するケースが非難され、ペーパーレス・印鑑レスも急激に進みましたセミナーや飲み会もWEB上での開催が当たり前となり、大きな社会変化がもたらされました。

上記の変化は、働く側にとってはおおむねポジティブなものが多いでしょう。しかし「会社運営」「労務管理」という側面から見るとトラブルの温床にもなり得ます。実際、すでに各所で労務トラブルの芽は生まれているといって過言ではありません。

アフターコロナの労務トラブル、4つの火種

アフターコロナのトラブル

ワーキングシーンの変化から生まれた労務トラブルの火種は、今は目に見えなくても、いずれ必ず炎上します。どれもコロナ流行がなければ火が着かなかったものばかりです。そして、先を見越してさっさと火消しを行っている会社も多くあります。

「そのうち何とかしよう」「そんなに大事ではないだろう」では、会社の存続にかかわるトラブルに発展しかねません。ひとつひとつ、スピーディーに対策を取る必要があるでしょう。

連載「アフターコロナの会社の守り方」第3弾は、解雇についてです。

 

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雇用調整助成金の終わりが、解雇増加のはじまり

2020年11月初旬、雇止めが70,000人を超えたというニュースが流れました。

雇止めとは、契約社員などの有期雇用の従業員に対し、契約期間満了を理由に会社側が契約を終了させることです。原則、契約期間満了を理由とする雇い止めは違法ではありません。しかし理由が不当なケースでは、無効と判断されることもあります。雇止めが有効か無効かは、ケースバイケースでしょう。とにかくこのニュースからは、コロナ禍で仕事を失った有期雇用者が増えていることがうかがえます。

今後は、雇止めだけではなく解雇も増えることが予想されます。現在は雇用調整助成金(社員を休みにしても給料を補償できる国の助成金)が何とか機能しており、解雇はまだ抑えられています。

2020年12月末までとされていた雇用調整助成金の特例期間も、2021年2月末まで延長されました(2020年11月27日発表)。しかし国もずっと助成金を出し続けるわけにはいきません。雇用調整助成金が終わった瞬間、解雇が一気に増える可能性があるということです。

 

業績低迷でも、解雇はむずかしい

コロナで業績が悪くなってしまった会社では、給与・賞与の削減が現実的になってきました。大手航空会社や旅行会社が給与・賞与を削減したなどのニュースも、日常的に飛び込んできます。しかし、給与・賞与の削減で済んでいるということは、まだ会社が雇用を維持し、事業継続ができているという証でもあります。

それすらできなくなったとき、解雇せざるを得ない状況がやってきます。少し先の日本社会には、「大量解雇」という危機が迫っているのです。

難しいのは、日本では解雇に対し厳しい規制があることです。「業績が悪くなったため、やむなく解雇しました。新型コロナのせいです。会社はできる限りの努力をしました」と、会社側は主張するでしょう。しかしそれが100%本当だとしても、「不当解雇」と見なされる可能性は残ります。不当解雇とは「正しい理由の解雇ではないから、法律では許されませんよ」と判断されることを指します。コロナとは無関係なところでも、不当解雇にまつわる労務トラブル案件の割合はとても大きく、社会問題として無視はできません。

「売り上げが前年比10%に落ち、会社存続ができません。解雇しか道はありません」という崖っぷちの会社であっても、不当解雇になってしまう可能性は大きいため、慎重に段階を踏むことが求められます。

 

解雇は自社でやり切ろうとせず、専門家に相談を

まず、自社の就業規則上、解雇がどのように規定されているかを確認してください。解雇は、就業規則に根拠条項(なぜ解雇できるのかという規定)があって、はじめて行えます。

次に、解雇は絶対に自社でやり切らないでください。失敗は「解雇を伝える」という一番はじめの段階から起こり得ます。「とりあえず、解雇について本人と話をしようか」という安易な進め方では、かなりの確率でトラブルに発展します。大変な状況であるからこそ、解雇できる条件について専門家に相談してください。解雇の基準は、ほとんどの会社で曖昧でケースバイケースです。「大丈夫だ」と思っていても基準を満たさないときがあります。そこを理解せずに解雇を行えば、訴訟リスクが高まります。

解雇の前に、以下を確認しましょう。

・業績悪化で従業員を解雇する前に、まず役員報酬を削りましたか?
・解雇以外の対応方法は、本当にありませんでしたか?
・解雇する対象者を選ぶときの基準は、明確になっていますか?

また同じ条件の解雇であっても、実際に訴訟に発展するかどうかは、

・該当の社員の性格
・対応する担当者(上司や人事担当者)や会社との関係性
・解雇に至る流れや、解雇の伝え方

などに寄ります。つまり「絶対リスクのない解雇」など、存在しないのです。

 

一番大切なのは、誠実な対応

新型コロナのような、やむを得ない解雇で一番大切なのは、社員と頻度高くコミュニケーションを取り誠実に対応することしかありません。会社の状況を誠実に伝え、社員の今後を一緒に考え、できることを全てやるという誠意が求められます。

まずは社会保険労務士や弁護士などの専門家や、公的機関が開設している新型コロナに関する経営相談窓口などで、情報を集めましょう。専門家に相談するタイミングは、業績回復のめどが立たず、給与や雇用にメスを入れる可能性が少しでも出てきたときです。新型コロナの影響での経営破綻は、会社にとって大きなダメージ。それに解雇トラブルが重なれば、心理的にもハードな日々が続くでしょう。

新型コロナは、雇用に大きな影響を与えました。テレワーク、副業兼業、マスクをつけた通勤や勤務、オンライン会議…しかしそれらは、雇用があってはじめて成り立つものです。新型コロナが経済状況を悪化させたのは間違いないことです。業績低下に加え、解雇トラブルが追い打ちをかけ、会社の体力がもっと落ちるのを防ぐため、専門家への早めの相談をおすすめします。

 

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