【4月1日更新】新型コロナ対策:雇用調整助成金の特例措置、現在の情報まとめ 社労士監修

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2020年4月1日追記

2020年3月28日(土)、新型コロナウイルス感染症により影響を受ける事業主を支援するため、厚生労働省から、雇用調整助成金の特例措置の更なる拡大の予定が発表されました。中小企業では現状2/3の助成率が、4/5(解雇等を行わない場合は9/10)となる予定です。(厚生労働省資料|https://www.mhlw.go.jp/content/11603000/000614800.pdf)

しかし4月1日時点では、まだ詳細は発表されていません。下の記事には詳細は反映されていませんが、分かり次第、最新情報に随時更新いたします。厚生労働省からの発表をお待ちください。


 

新型コロナウィルスの影響を受け、雇用調整(休業等)をおこなう会社向けに、「雇用調整助成金」の特例措置ができました。もし条件に当てはまるなら、申請の検討をおすすめします。

現行の受給額は、あくまでイメージですが、平均給与20万円の従業員10人が5日間休業し、休業手当60%を支払ったときには、約20万円弱が受給される」という程度にとらえていただけたらよいと思います。

 

雇用調整助成金の概要

新型コロナウィルスの影響で、経営が悪化(売上の大幅な減少、事業の縮小など)したとき、従業員の雇用を守るために、休業期間中などの休業手当の一部を助成してくれる助成金です。

・出勤調整などで勤務日を減らしたとき
・会社や事業所自体を休みにしたとき
の、両方で適用されます。

さらに休業のかわりに教育訓練を実施したときは、助成金が加算されます。
(営業ができず店舗を閉めた日に、かわりに従業員が研修を受けたとき
、助成金額が加算されます)

 

特例措置の対象期間

休業の初日が令和2年1月24日~7月23日の間

対象企業

雇用保険に加入している企業

対象者

雇用保険に加入している従業員

休業の範囲

1日休業は、企業全体だけでなく、個人単位・部署単位でも可能です。

1日休業だけではなく、短時間休業(午前中のみ休業するなど、1日のうち一部を休業すること)も助成金の対象です。短時間休業のときは30分単位となり、30分に満たない時間は切り捨てとなります。

ただし、短時間休業をおこなうときは、個人単位・部署単位ではなく、事業所の対象者全員で、同じ時間に一斉休業する必要があります。


助成金の問い合わせ・申請先

問い合わせ先
・学校等休業助成金・支援金、雇用調整助成金、個人向け緊急小口資金相談コールセンター
電話 0120-60-3999
受付時間 9:00~21:00(土日・祝日も同じ時間)

雇用調整助成金に関する主なお問い合わせ先一覧

問い合わせ・申請先
雇用関係各種給付金申請等受付窓口一覧

1週間の法定労働時間の起点

雇用調整助成金の計画書提出時と支給申請時には、所定労働時間や残業時間の確認のため、労働局によって1週間の法定労働時間の起点が確認されます。

1週40時間(特例措置事業者は44時間)の法定労働時間を超えているかなどの確認がおこなわれるので、「何曜日を起点とするか」を就業規則などで決めておく必要があります。就業規則などで決まっていないときは、日曜日を起点として計算します。

特例措置適用後の要件

受給の要件としては、以下の①②の両方を満たしている必要があります。以下は、通常の要件に「特例措置」が加えられたときの必要要件です。

特例措置適用後の必要要件① 以下の1、2のいずれかを満たしていること

1.事業開始から1年以上の実績がある企業、かつ、計画書提出日前月と前年同期を比較して売上や生産量などが10%以上減少していること休業開始日が2020年3月10日で、計画書提出日が2020年5月13日のとき、計画書提出日の前月は2020年4月となり、比較対象は2019年4月(前年同期)となる】

2.事業開始から1年未満で前年の実績がない企業、かつ、令和2年1月24日までに事業を開始し、令和元年12月分と比較して計画書提出日の前月の売上や生産量などが10%以上減少していること休業開始月が2020年3月10日で、計画書提出月が2020年5月13日のとき、計画書提出日の前月は2020年4月となり、比較対象は2019年12月となる】

特例措置適用後の必要要件② 休業手当等の支給がされていること

・休業手当を平均賃金の60%以上支払っていること
・教育訓練のときは、受講中の賃金を100%支払っていること

 

通常の雇用調整助成金の要件との比較

通常の雇用調整助成金との比較を表にまとめました。

通常 新型コロナウィルス特例措置
企業の雇用保険の加入 必要 必要
対象事業主 1年を超えて事業をおこなっている事業主 令和2年1月24日までに事業を開始した事業主
対象者 自社の雇用保険に加入して6か月以上の従業員 自社の雇用保険加入者
※緊急事態宣言がでている地域:全従業員(週20時間未満の勤務で、雇用保険に未加入の従業員も対象になります)
助成率
(※2)
2/3(大企業:1/2) 2/3
※緊急事態宣言がでている地域:4/5(大企業:2/3)
雇用の増加 最近3か月の平均と前年同期と比較して10%を超えかつ4人以上(大企業:5%を超えかつ6人以上)増加していないこと なし
助成対象期間 1年間 1年間
特例措置期間 なし 休業の初日が令和2年1月24日〜7月23日
初回の計画の提出期限 休業初日の2週間前 休業後の申請が可能
(ただし令和2年5月31日までに提出が必要)
支給限度日数 年間100日(3年間で150日) 年間100日
要件 直近3か月と前年同期と比較して売上や生産量などが10%以上減少 以下の①②のいずれかで売上や生産量などが10%減少
計画書提出日の前月と前年同期と比較
②前年同期がないときは、令和元年12月と比較
※緊急事態宣言がでている地域:売上や生産量などが10%減少の要件は適用なし

緊急事態宣言の出ている地域の特別措置は、休業が令和2月2月28日~令和2年4月2日にあるときです。

 

 

助成率(※2)

・休業手当・教育訓練を実施したときの賃金:2/3(大企業:1/2)
・出向のときは、出向元事業主が負担する賃金額の2/3(大企業:1/2)
・教育訓練を実施したときは:1,200円加算(1人1日あたり)

※対象者1人1日あたり8,330円上限(令和2年2月29日までに休業等の初日があるときは8,335円)
※緊急事態宣言が出され、活動の自粛が要請されている地域は、助成率4/5(大企業:2/3)
緊急事態宣言がでている地域:北海道(令和2年3月6日時点)

 

併給調整

以下の場合は、支給額に調整がかかります。
・賃金等の支出について、他の助成金を受給しているとき
例:特定求職困難者雇用開発助成金など

助成額の計算

個別に支給した休業手当に、単純に助成率をかけた金額が支給されるわけではありません。助成額は、毎年7月10日までにおさめている労働保険の雇用保険料を計算する賃金をベースに計算されます。

計算式

まずは、1人あたりの1日の賃金を計算します。

1人あたり1日の賃金=(前年の雇用保険料の計算で使用した賃金の総額)÷(前年の1年間の1か月平均の雇用保険加入者数×年間所定労働日数)

助成額は、

1人あたり1日の賃金×休業手当の支払い率×助成率=助成額

となり、ひとりひとりの賃金とは、異なることに注意してください。

助成額の計算の例

前提条件
①2019年度、雇用保険の計算で使用した賃金の総額が2,600万円
②2019年度、1か月の雇用保険の加入者数が10名
③2019年度、年間所定労働日数が260日
④休業手当の支給率は60%

この場合は、
⑤助成率:2/3 となる。

上記の前提条件をもとに助成額を計算するとき
2,600万円÷(②10名×③260日)=10,000円
10,000円×④60%=6,000円
6,000円×⑤2/3=4,000円
したがって、このときの1人1日あたりの助成額は4,000円と計算されます。

教育訓練

ここからは、教育訓練に関してです。

教育訓練で雇用調整助成金を受け取るとき、教育訓練の費用は企業側が全額負担し、以下の①②のいずれかで実施する必要があります。

①企業内で教育訓練を実施
・1日または半日(3時間以上)の、所定労働時間内で実施する
・通常の業務と区別し、OFF-JTとして実施する

②外部機関で訓練を実施
・1日または半日(3時間以上)の、所定労働時間内で実施する

 

教育訓練に関する注意事項を、5つあげておきます。


注意事項① 教育訓練が半日のときは、加算は半分

教育訓練が半日のときは、助成金の加算は半分になります。(1人あたり1日あたり1200円、半日あたり600円)

注意事項② アンケートまたは報告書

教育訓練日ごとに、アンケートまたは報告書が必要です。書式は任意ですが、日付・受講時間・研修内容の感想などを書いた報告書を、従業員各自が作成する必要があります。報告書は、企業内で教育訓練を実施したときも必要です。本人の自筆または自筆での署名・押印があり、本人作成であると確認できなくてはいけません。

注意事項③ 教育訓練内容

業務関連した知識や技能の習得・向上を目的とした教育訓練であることが必要です。法令で義務づけられている訓練や、社会人として一般的な訓練などは対象外になります。

注意事項④ 教育訓練の条件

教育訓練を実施する日は、業務をおこなわせてはいけません。半日の教育訓練を実施するときは、教育訓練以外の時間は、短時間休業をしていないと対象になりません。


教育訓練を実施するときは、事前に助成金の窓口へのご相談をおすすめします。

参考|雇用調整助成金に関する主な問い合せ

教育訓練の判断基準

 

よくある質問

Q:休業日以外で、残業や休日出勤があったら?

従業員を休業させる一方で、残業や休日労働をさせたときは、その時間分が支給される助成金の受給額から控除されます。残業や休日労働の理由が、突発的・一時的であったとしても、控除されるので、注意が必要です。

Q:年間の所定労働時間が、前年度より増えていたらどうなる?

従業員を休業させる一方で、残業や休日労働をさせたときは、その時間分が支給される助成金の受給額から控除されます。

Q:外国人技能実習生はどうなる?

実習生は技能実習計画に基づき、技能を習得する必要があるため、休業で実習が継続できないと法務省令上の不正行為にあたる可能性があります。やむを得ず休業をし、技能実習計画に基づいた実習ができない状況になったときは、監理団体から地方入国管理局へ報告をしなくてはいけません。休業が必要になったら、速やかに監理団体へご相談ください。

Q:事後申請は、何回でもできる?

雇用調整助成金の申請は何回でもできますが、事後申請は、初回の計画書の提出時のみ可能です。2回目以降は、休業の前に計画申請を行う必要があります。

Q:休業日数は、何日でも助成金の対象になる?

合計の休業日数が一定以上ないと、助成金は受給できません。この基準を「休業等規模要件」といいます。
休業等規模要件を満たすには、休業日数(教育訓練実施日を含む)が、「その事業所の、全員の、所定労働日数を合計した日数の、1/20(大企業は、1/15)」以上である必要があります。

【前提条件 ①1か月の所定労働日数が20日、②対象者が20名のとき】
①20日×②20名=400
400人日×1/20=20・・・A
このときは、延べ20日(A)以上の休業が必要となります(5日間×5人など)


Q:休職中または育児休業中の従業員も対象にできる?

できません。

Q:事業を開始したのが、2019年12月10日からです。休業は2020年3月の予定です。12月分の日数は1か月間に満たないですが、このときは、どの月とどの月の売上や生産量などを比較するの?

比較対象は1か月に満たないときも2019年12月となります。12月分と売上や生産量などを比較をして10%以上減少していれば、特例措置が利用できます。ただし、12月分と売上や生産量を比較するのは、計画書提出日の前月になります。休業月の前月ではないので、注意してください。

Q:年間カレンダーはなく、従業員ごとにシフト表を作成しています。そのときはどうすればよい?

従業員ごとの年間のシフト表が必要になります。

Q:1か月単位の変形労働時間制をとっています。労働時間・出勤日が事前に決められていないときは、どうすればよい?

その状態では申請できません。1か月単位の変形労働時間制は、事前に労働時間、出勤日などを決めておく必要があります。出勤日が決まっていないと、休業日かどうか判断がつかず申請ができないため、あらかじめ労働時間・出勤日を決めてください。

Q:年間の所定労働日数が、従業員によって異なります。このときは、助成金の計算はどうなる?

すべての従業員が同じ労働条件であれば、「前年の1年間の1か月平均の雇用保険加入者数×年間所定労働日数」で計算されますが、従業員によって異なる場合は「それぞれの年間所定労働日数を合計した日数」となります。

 

まとめ

新型コロナウイルスによって、急に注目を浴びるようになった雇用調整助成金。休業せざるを得なくなったとき、会社の経営ダメージを回避し、社員の雇用を守るために、とても役立ちます。受給するためにも、日頃から労務管理は正しくおこなっておいてください。助成金に関しては、今後も情報が追加されていくことと思われます。最新の情報を取り、この危機を乗り切っていきましょう。

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