お話いただいたのは
事務所名 | なかだ社会保険労務士事務所 |
所在地 | 愛知県名古屋市 |
代表 社会保険労務士 | 中田喜代子さま |
HRbase PRO導入時期 | 2023年11月 |
もともと得意だったクラウドツール導入
ーIT業界ご出身とのことですが、なぜ社労士を目指されたのですか?
中田
IT系企業で営業の経験を積み、出産のため退職後は別の業界で働いていたのですが、リーマンショックのときに勤め先が名古屋支店を閉鎖し、退職を余儀なくされました。当時3歳の子どももおり、就職活動に苦戦する中、「手に職がないと厳しいぞ」と何かの資格を取得しようと思い立ちました。
その後税理士事務所でパート勤務をしていたとき、そこに社労士の方がいらっしゃったんですね。その先生のお手伝いをすることになり、初めて給与計算や就業規則作成にかかわりました。先生は私と年が近い素敵な女性であったこともあり、社労士という資格に興味を持ち、勉強を開始しました。
資格取得後は社労士事務所勤務を経て、開業前は労務テックのベンダーで営業やカスタマーサポートの仕事をしていました。
ー社労士先生にシステムをおすすめする側にいらっしゃったのですね。
中田
そうですね。元々IT業界にいたので、社労士とシステムにかかわる仕事は面白そうだなと思い入社しました。
コロナ禍でテレワークをするようになってから、副業として社労士業務を並行して行っていましたが、少しずつお仕事も増えて両立が難しくなってきたため、独立開業を決めたという経緯です。
地域密着、「会いに行けるDX支援」が強み
ーどのようなメニューをご提供していらっしゃいますか?
中田
手続き込みの顧問契約が基本で、給与計算はオプションにしています。
労務相談のみのプランは現在はご提供していませんが、初回の労務相談は無料でお聞きしています。ご納得いただけたら顧問契約につながると思いますし、営業活動の一環として行っています。
ー顧問先は名古屋市内に限定されているのでしょうか
中田
他県の顧問先も一部いらっしゃいますが、基本的には名古屋市内ですね。
私はクラウド導入支援が強みなのですが、クラウドは便利な反面、導入にハードルがありますよね。私はその「はじめの一歩」をお手伝いしたいため、会いに行ける距離の顧問先とご契約したいと考えています。
ホームページにも「直接会ってサポートします」と記載しています。
ーこれからDXを進める中小企業の方にとっては心強い存在ですね。
中田
ただ、「なぜ選んでくださったんですか?」とお聞きすると、クラウドが理由ではなく「近かったから」という回答が多いですね!
地域名で検索すると私のホームページが出てきますから、いい歯医者や、いい美容院を地域で探すという感覚に近いのかもしれません。
HRbase PRO導入、魅力は動画アーカイブ
ーHRbase PROの導入のきっかけを教えてください。
中田
実は、具体的な機能に惹かれて・・・というよりは、ご縁があったので導入してみた、という流れです。そのとき一番いいなと思ったのは、労務セミナーの動画アーカイブが見放題だったことですね。
ーはじめは、機能ではなくセミナー動画に価値を感じてくださったのですね。
中田
はい。
HRbase PROでは無料セミナーを数多く開催されていますが、その日に視聴したいというより、顧問先で何か問題が発生したときに見たかったんです。そのため「ユーザーになれば動画がいつでも見れる」というのは私にとってはメリットでした。
ーなるほど、課題に合わせて見てくださっているのですね。
中田
HRbase PROで資料を検索すると、関連動画が出てきますよね。たとえば退職勧奨のノウハウを検索したとき、弁護士先生が解説されている退職勧奨の動画などが出てくるので、とても助かりました。
もちろん、動画だけではなく資料も利用しています。よく利用するのは、育児休業制度を本人に説明をするための資料ですね。
中田
税理士さんからのご紹介案件では「初めて労働者を雇う」という方からのご相談も多いため、労災や雇用保険に関係する資料なども使わせてもらっています。
最新の法改正に対応した資料が出てくるのでありがたいですね。Google検索では改正前の古い資料がヒットすることもありますから。
36協定違反の罰則も、退職代行の対応も労務相談AIに質問
ー2024年の4月から、HRbase PROの活用頻度が上がったとのことですが・・・
中田
4月に労務相談AIが使えるようになってから、ログインする機会がグッと増えました。「こんなこと聞いてもいいのかな」という曖昧な質問でも、的確で説得力のある回答をしてくれるので驚きました。
ーありがとうございます。具体的にはどのような質問をされていますか?
中田
たとえば36協定違反の罰則。罰則の概要は調べればわかるのですが、「その罰則はいつ適用されるの?」など、顧問先から実務的な質問をされることもあります。
これまではネット検索や書籍で情報収集していましたが、労務相談AIに聞くと、なかなか詳しく教えてくれるので助かっています。
ー労務相談AIへの質問文は、ご自身で書かれていますか?それとも顧問先から来たメールの文章などをそのまま貼っていらっしゃいますか?
中田
顧問先から電話やメールでもらった質問を、自分の言葉に変換して書いています。
目の前の人間に話しかけるつもりで、労務相談AIに「こういう事情で、ここまではわかってるのだけど、実務上はどうしたらいいかな」と問いを投げています。
ー質問スキルがお高いですね!労務相談AIもはりきって回答していると思います。
中田
先日は「退職代行を使われたとき、本人に連絡を取っていいかどうか」について労務相談AIに聞きました。
退職代行の会社からは「本人に連絡を取らないよう」言われますが、会社としては退職前に引き継ぎをしてもらわなければ業務に支障が出ます。
そのとき、本人の意向に反して連絡をしてもいいのか、できない根拠はあるのかなどを労務相談AIに質問をすると、説得力のある回答が出てきました。
もちろん最終的な根拠は自分で調べますが、「こういう言い回しをすればいいのか!」という点で勉強になりますね。これはもう、お値段以上の価値があると思いますよ。
顧問先とのコミュニケーションは柔軟に
ー労務相談AIで生成された回答文章を、どのようにして顧問先へ送っていますか?
中田
チャットワークで回答することもありますが、長文のテキストをあまり好まれない方もいらっしゃるので、電話や、ご訪問しての口頭説明になることが多いです。
HRbase PROは、回答文章を作成するためというよりは、自分自身のインプットと調査の効率化のために活用していますね。
ー地域密着型ということで、オンラインだけで完結させないコミュニケーションスタイルですね。
中田
そうですね。できるだけ親身な存在でありたいと思っています。
最近、チャットワークのグループに顧問先を招待して、中田事務所からのご案内を一斉送信する仕組みをつくりました。
「労働保険の申告書が届いたら送ってください」などの手続き上の事務連絡や、法改正情報などをお送りしています。
今後は週1回程度の配信を検討していますが、そのときはHRbase PROの「労務マガジン」も役に立ちそうです。
ー営業やサポートのご経験者らしい、具体的な仕掛けをつくられていますね!
中田
ただ、お忙しい社長には長文だと読んでいただけないので…。
要点をピックアップしてお送りしていく予定です。
ノンストレスで、持続可能な事務所経営を目指して
ー今後はどのような展開をお考えですか?
中田
おかげさまで、1人で対応できるギリギリのところまでお仕事が増えています。
今のペースでいけば2〜3年後にはスタッフを雇用して、そのときはHRbase PROの活用シーンが増えるかもしれません。
とはいえ拡大志向ではないんですよ。今はプライベートと仕事のバランスがちょうどよく、自分のやりたいように自由にやっているので純粋に「仕事が楽しい」と思えるんです。ストレスの少ない、持続可能な事務所経営を目指したいですね。
ーサステイナブルな経営ですね!
中田
その一方で、社労士業務だけでなく、並行して別の事業会社をやってみるのも面白そうと思うこともあります。開業して出会った多くの経営者様から刺激を受けて、そう感じるようになりました。
ーどのような事業にかかわるにしても、「労務の専門家」であることは大きな強みになるのではないでしょうか。
中田
そうですね。生の経営に携わることはとても面白いですし、そこで労務という柱を活かせれば、自分にも社会にも役に立つと感じています。
ーますます労務相談の必要性が増していきますね。
中田
人の課題は永遠の課題ですし、人に投資する会社の業績は必ず上がります。世の中の関心も高いですし、時代にあった賃金制度や人事施策の提供などは、価値が上がっていくでしょう。私も、手続きだけではなく採用支援や労務相談を通じて、総合的な背中押しをしていきたいですね。
これからクラウド導入を進める企業さまにも出会っていきたいです。ご訪問して、従業員さんが活用できるまでしっかりとサポートしますので!