やまもと社会保険労務士事務所 山本直樹さま
所在地 | 北海道函館市 |
2017年に行政書士登録を行い、2022年に社労士事務所も併設で開業しました。
大きな特徴は、外国人採用というカテゴリでの支援に特化している部分です。これまで行政書士として外国人個人からの相談や手続に対応してきましたが、今後は社労士として中小企業の外国人採用サポートを行う予定です。
近年は労働法遵守の重要性が増し、在留資格手続や特定技能などの領域でも厳密な運用が求められています。私なりにできることがあるはずだと考え、開業を決意しました。
中国での経験、国際結婚、気付いた課題
「外国人採用」というニッチな強みは、私の自己課題解決から生まれたものです。
若い頃、 日本に技能実習生を派遣する会社に勤務し、技能実習生に日本語を教える教師として約2年間中国に滞在しました。そのときに中国人の妻と知り合い結婚することとなりましたが、日本に呼ぶ際の在留資格の手続の煩雑さや、日本に来てからの苦労やストレスを目の当たりにしました。
日本での就労を目指す外国人の方は、夢と希望を持ち、本当に一生懸命頑張っています。しかし実際には外国人の方は転職も難しく、言葉の壁や文化の違いなどからくる職場でのハラスメントやトラブルが起きています。日本人では気付きにくい悩みや、外国人の方だけでは解決できない問題も多いことを知り、いつの間にか相談役としての仕事が増えていきました。
その悩みに対応するため社労士の資格取得を考えましたが、当時は社労士試験の条件に「大卒」があり、高卒の私は受験ができません。それならば段階を踏もうと、先に行政書士の資格を取りました。行政書士の資格を生かし、在留資格の相談を受けながら実務経験を積んで社労士を目指し、結果、社労士に無事合格し今に至ります。
HRbase PROの資料管理機能を活用
ネットでさまざまな情報を取得できる時代になりましたが、誰でもアクセスできる情報には嘘も本当も混在しており、調査に時間がかかります。「厚生労働省の発表」だけではなく、通達や記載場所までその法律などの根拠を確認するのが私たちの仕事ですが、HRbase PRO提供の資料は根拠が明確で、原典にもリンクされていますから安心です。
ニッチな分野かも知れませんが、外国人採用の資料が増えると嬉しいですね。正しい情報を正しく伝えなければ不法就労や在留資格更新が不許可になり、本人だけではなく企業にも影響が出てしまいますから、労働法だけではなく入管法関連の資料もあると助かります。
日々進歩している、労務管理のIT化に驚き
在留資格申請でも電子申請が進み始めていますが、実は社労士になってから労務管理系のIT化が予想以上に進んでいることを知り、驚きました。クラウド各社の機能も充実していますし、サービスも広範囲です。
そう考えると「手続業務は減っていく」というお話は本当なのだろう、と感じますし、付加価値を考えざるを得ません。HRbase PROのような相談業務の質を上げるサービスの重要性はどんどん増していくでしょう。
私自身、社労士業務を進める中でクラウドツールの活用はどんどん行っていきたいと考えています。
トラブルのない人材活用を目指して
まだ開業したてではありますが、自分の強みである「行政書士との両輪サポート」と「外国人採用に対応できる」という部分を、最大限に活かしていきたいです。
日本における外国人採用は、労働法の順守と入管法の周知が徹底されればトラブルも少なくなると思います。しかし何故トラブルが絶えないのでしょうか。
外国から人材を呼び寄せるということは、日本人採用よりもコストもコミュニケーションも必要なはずです。しかしそれを安易に考えるから、すれ違いが起きます。そのような現場を多く見てきた身としては、制度活用の適正化と意識の向上に自身の役割を起き、円滑な人材活用に一役買いたいと考えています。
小さな声を吸い上げ、社会の課題解決を
顧問先としては中小企業を想定していますが、私なりの視点を使い、行政書士の仕事をしているときにも感じていた労働者側の「どこに相談していいかわからない」という悩みにも向き合っていくつもりです。
たとえば個人からの障害年金相談窓口のニーズは確実にあり、生活に不安を感じたり苦しんでいる人は、予想以上に存在します。小さな声を吸い上げ、働く、生きることがもっと楽になる世の中を後押ししたいですね。
外国人が気持ちよく働ける社会は、日本人が気持ちよく働ける社会でもあります。社員を労働力としてしか見れない企業は、今後採用難が加速するのではないでしょうか。国籍や立場でトラブルが起きるのは望ましくありません。今後は、リアルな課題を見てきたからこその私なりの情報発信を行い、中小企業のお役に立てればと願っています。