世の中には「いざとなったら使っていいといわれているけど、なかなか使えないもの」がたくさんあります。たとえば滅びの呪文。たとえばおばあちゃんが残してくれた預金。

労務の世界にも、それはあります。有給休暇、男性の育休、そして上司の謝罪…働く大人の皆さんなら、いくつも思い浮かべることができるでしょう。今回のコラムでは、その中でも女性にとって「使いにくさベスト3」にはランクインするであろう、生理休暇にスポットを当ててみました。

人事系「働く女性」座談会!
生理休暇の申請の現状と、人事労務管理から見た考察

 

今回集まってくれたのは、以下の3名の働く女性です。

 

今回の座談会では「生理痛のしんどさ」ではなく、制度と女性の働き方にスポットを当てていきます。個人差はあれど、生理の不快さ・つらさは、女性の共通認識だというところからスタートしましょう。まずは、生理休暇という制度の概要です。

 

 

昭和40年代には、働く女性の4分の1が取得していたといいます。その時代は子どもの死亡率も高く、「婦人科の病気」の弊害は今よりもっと深刻だったでしょう。生理休暇は、母性保護の観点からも、取得が進んでいたと考えられます。

しかし、母性保護を語り始めるとぶつかるのが女性のキャリアの問題です。その時代はまだ「女性は子供を産むのが本分、社会の中心にはなれない」と見なされ、だからこそ生理休暇の取得ができていたという背景もあるでしょう。

次に取得率をみてみます。


参考|厚生労働省 「平成 27 年度雇用均等基本調査」の結果概要

2014年〜2015年の取得率が0.9%にまで下がっている背景には

・女性が多少の無理をしても「対処できる」程度には医療が発達し、婦人科疾患や出産時の死亡率が下がった
・鎮痛剤、ピルなどが一般的になり、女性が生理周期や体調を薬でコントロールするようになった

という要因が考えられます。

しかし、女性の身体の仕組みが変わったわけではありません。働く女性の令和の「生理休暇事情」はどうなっているのかを聞いていきたいと思います。

またこの記事を書くに当たり、身の回りの働く女性に完全匿名でアンケートをお願いしました。たった3日で、32名から回答が集まり、記述部分には想像を超えた「生の声」が集まりました。記事中で随時ご紹介いたします。


アンケートの概要

 

回答してくれたのは、20代〜50代の女性たちです。現在の職業はフリーランスや主婦、起業家など多岐にわたるため、「回答に該当する会社」は、今現在勤めていなくても、自分が従業員の立場で属していた会社を想定してお答えいただきました。


 

それでは、座談会を始めましょう!

聞き手は、株式会社Flucleの広報兼ライター、本田です。

「ある程度、取れる側のリアルな話」からスタート

実は私の部署は、わりと取得しています。就業規則にもしっかり書かれていますし、月1回までは有給で生理休暇が取れます。休みはチームメンバーに報告しますが、その休みが風邪なのか、生理休暇なのかは、自分と勤怠管理者しかわかりません。男性上司にも、後から申請状況を見られたら「生理休暇」とはバレますが…何もいわれたことはないですね。


申請は後日ですか?


会社に出社しないと申請できないので、当日は上司に「休む」とだけ伝えて、翌日システムから休暇申請をします。取得の説明もシステム画面に分かりやすく書いてあるので、とてもスムーズです。勤怠管理者は女性なので、隠す必要もないですし…


私は今まで生理休暇の取得者に出会ったことがなかったので、そのスムーズさに驚きです!


せっかくなので、有給の種類のひとつだと捉えて、使おうと考えています。1日休んで、翌日もつらかったら休むことは可能ですが、生理休暇としては無給になるので、自分で判断しています。


自分でコントロールができていますね。

私自身は生理休暇を取ったことはありませんが、生理痛に関係なく、体調が悪かったら上司に連絡すればOKです。

特に理由をいわなくても「休みます」「了解」で済むのと、翌日、勤怠システムから「有給休暇」を申請すればいいので。でもそこで「生理休暇」という申請ができるな…って、今気付きました(笑)



営業職という視点ではどうですか?


その日、どうしても動かせないアポイントがあれば、その時間だけ行って早退すると思います。あとはリスケしますね。さすがに取引先には生理とはいえませんが…。「体調不良で休みます」と上司に伝えると、「リスケしておこうか?」とか、意外と協力的です。とはいえ、男性上司なので気を使ってもらっている実感はありますね。女性上司だったら、生理休暇だってその人が使っていなければ、使えないと思います。


私の部署は、「その人にしかできない仕事が少ない」という利点もあります。営業職と違って、リモートでもなんとかなるので。


その日は生理痛で立てないけれど、家でなら仕事ができるとなったら、リモートに振り替えも可能ですか?


可能です。ルール上は、事前に申請しなくてはいけませんが…形骸化しています(笑)当日でも、チームメンバーの許可があればできますね。女性が多い部署なのでサポートもし合えるし、先輩の理解があるのでありがたいです。


ということは、自分のパソコンを持ち歩いている人が多い?


ほとんどの人が、パソコンを持ち歩いていますね。


ストレスなく生理休暇が取得できるユートピアがあった!

 


生理休暇アンケートより

半数の女性が、権利だと知っていたにもかかわらず、取得した経験があるのはほんの少数という結果が出ました。そもそも社会に出たとき・入社するときに、その存在を正しく教わった女性がどれくらいいるのかも知りたいところです。


現場仕事、理解の個人差…生理休暇申請の障壁たち


生理休暇ではなくても、せめて有給休暇が使えたら…と考える女性は多そうですが、どうでしょう。

労務の現場の話になりますが…。体調不良の年次有給休暇を認めない中小企業もありますよね。そもそも有給休暇は、体調不良のためではなく、あくまで休暇なので。そうなると、生理を含む体調不良は欠勤扱いになって、さらに「生理です」といえないまま、理由のない欠勤が続いたら、究極は懲戒処分になってしまいます。


理由もない体調不良の欠勤が2、3日続いたら、「診断書出せ」っていわれるでしょうしね。


人手不足と嘆いている会社でも、そうなってしまうんでしょうか。


人手不足だから休まれたら困るという無限ループですね。ひとりで事務をやっている女性が休むと、会社が止まってしまうし、飲食店のシフトに穴があくことも多いでしょうし。


有給休暇の取得義務化も始まりましたが、現場には浸透していませんか?


現実問題、5日も有給休暇を取られると、人員も人件費も足りなくなるという小さな会社が多いはずです。そもそも、休みすら取りにくかったら、有給休暇や、ましてや生理休暇どころではないでしょうね。

確かに、取れる環境があれば取りたいけど、自分の予定を考えると休めない日はあります。会社の体質が古いので、会社のPCや携帯も持ち帰り禁止。朝にリモートに変更するのは、まだまだ無理です。お客さんからの返事待ちや原稿締め切りがあれば、会社に行かざるを得ない。生理だからではなく、どの体調不良でも最低限がんばって出社しなくてはいけない日の条件は同じ。

 


この格差はすごいですね。私は20代のころアパレル販売の現場に長くいたのですが、バイトさんから「生理なので休みたい」と電話が入って、それが2人続いて、公休返上で急に出勤することになった私も生理2日目…とかが当たり前でした。現場を抜けてトイレにも行けないし、女子はレジで倒れちゃうし。

アパレルの現場あるあるだと思うんですけど、生理中ってお客様の試着対応がキツい。しゃがんで、立って、しゃがんで、立っての繰り返しになるので。こっそり女子同士で交代したりはしましたけど…でも「休む」まで行くのは相当で、生理で休んでいる女性管理職も、知る限りでは出会ったことがないですね。


意外と、男性上司の方が気にしてます。中小企業で理解ある男性は、奥さんの生理が重くて寝込む姿とかを見たりして、「女性は大変」って理解してくれる方もいます。しかしそれは身近で見てはじめて分かることで、理解に個人差があるのはいいとはいえませんよね。


確かに、私の男性上司も、お年頃の娘さんが2人いるおかげで、意外と気遣ってくれますね。

 


生理休暇アンケートより


課題だな、と思ったのは、「どうやって申請するかわからない」という回答が、32人中16回答もあったことでした。生理休暇だけの問題ではなく、そもそもの有給休暇や、その他の休暇・休業申請が不明確な会社が多くある現実が見えてきます。また権利はあっても、「まわり」を気にして取得できないという意見が多く、根強いタブー感もうかがえます。


生理痛は病気扱いなの?


ネット論争の中に、「生理休暇」っていうネーミングがよくないっていうのがあって…病気の人や体調悪い人が一律で休みやすくくなればいい、わざわざ生理というからダメなんだというのがあります。男性だって突発的にしんどかったら、休めるようにしたらいい、という考え方ですね。

それに対し、「でも生理は病気じゃないでしょう」という考え方も出てきます。つまり、病気療養の人とは区別しないといけないのではないか、という論ですね。そのあたりはどうお考えですか?


重い生理痛は、その裏に病気が潜んでる可能性が高いので、本当に働けないような生理痛が続くなら早く病院へ行かないといけないですよね。婦人科は行きにくいけれど、ホルモン治療などで楽になるかも知れない。

私は、生理も病気も、両方何かしらの対処が必要なので、その点では同じに考えていいように思います。生理以外でも、薬を飲みながらコントロールして働く病気っていっぱいあるはずなので、生理だけを特別視できないのでないかと…


でも、生理で休んだとしても2日。それと病気とは一緒にしないで欲しい気もします。


生理休暇は女性特有で、公平性がない制度なので、すべての人が納得するようにはならないでしょうね。男性も対象の無給の休暇をつくって、「理由は問いません、もちろん生理でもOK」とすればいいのかな…


その場合の日数はどうなりますか?


難しいですね。ただし今のように「生理休暇」と名乗っている以上、日数制限はできません。労務上、お給料を出す日数は会社が定められますが、「勤務が著しく困難なら休める」制度なので、個体差がある以上、法律では上限日数を制限できないんです。

労働契約上、体調不良は個人の問題なので、その点では生理も病気と一緒になりそうです。健康な状態で働くのが労働契約。正しいケアで生理痛が軽減できるなら、「努力を怠っている」といわれたら終わりです。だから私は、きちんと病院へ行くことをすすめたい!


産前休暇との関係はどうでしょう。つわりも個人差がありますけど…


産前休暇の主体は、子どもの保護です。おなかが大きくなったら動きにくいし、危ない。それを含めての産前休暇なので、女性の個体を守るというより、子どもを安全に育てて生むためにあると考えられますね。


では私のように、意思を持って生まないと決めた女性の生理痛は、やっぱり「耐えろ」なんですね(一同、笑い)


だから、生理痛が重い人は病院へ。そもそも大半の女性が生理痛を抱えている現状がよくないんです。

生理休暇と女性のキャリア



生理は、重さに個体差はあれど女性は絶対なるもので、もちろん病気ではない。しかしその痛みやつらさを、数値化も共有もできないのが難しいところですね。自分ではコントロールできず突発的に休まざるを得ない…という認識が当たり前になってしまうと、周りから「あの人は、いつ倒れるか分からないからね」ってなってしまう。キャリアを積みたい女性が、生理とうまく付き合うにはどうしたらいいでしょう。


本人のキャリア観によりますが、ほんとにキャリアを積みたかったら休まない…休めないが正しいかも。


だから今、「生理休暇なんて!」っていう女性管理職は、休まず耐えてきた人たちですよね。


女性の社会進出っていうけど、結局、男性社会に女性が合わせているだけ。日本社会が「女性の個体を考える」ではなく、「男性社会に合わせろ」という仕組みである限り、この問題には答えが出ないと思います。今の女性の管理職も、男性に合わせて頑張って、今の地位にいるから。

 

確かにキャリアアップを考えると、「休んでもいいのか」と気にはなります。でも、会社に制度があり、認められているのであれば…そしてまわりに味方がいるなら、どんどん使っていいと思います。そこで「生理休暇を取るなんて、キャリアアップできない」というレッテルを張る会社は、制度と考え方が乖離しているのではないか、と思います。


Fさんは人事で採用にも携わっていますが、その目線ではどうですか?


そうですね…人事側に立つと「働けよ」って思っちゃうかも知れません!(一同、笑い)

でもうちは女性の多い会社で、女性のコンサルも増やしたいと会社がいっています。女性の働きやすさは、アピールしなくてはいけないですね。採用時の福利厚生欄に、特に「生理休暇あり」とは書いていませんが、女性ひとりひとりが働きやすい環境をつくるのが、先輩や人事の責任かな、とは思っています。


求人票に、「生理休暇の取得実績」が書いてあったらいいかも。育休とかを書くのは定着したし、取得は法律で決まってるんだから…実際に取れるよ、という実績が分かれば、女性に優しい会社とアピールもできる。


有給休暇の取得日数は書けるのだから、生理休暇もありですね。そして、生理休暇が取れるなら、有給休暇も取りやすいイメージが出るはずです。

私の会社は、上司が女性に優しくて、女性には「早く帰りや」といってくれます。半面、男性社員には厳しいので、同僚に申し訳ないときもありますね。会社として女性が働きやすいよう配慮している…と分かってはいますが、正直「もっとできる」と感じています。女性だからって変に気を遣わなくていいですよー、って。


男性と同じ土俵に立てないのは、配慮とは違いますよね。


キャリアの話なら、採用現場では育休からの復帰についてよく聞かれます。「復帰して働いている女性いますか」…って。実はいないんですけど(笑)これから整えます、実績つくります!っていうしかない。

私の会社自体は、男女平等です。そこでコンサルティングとして生き抜いてきた女性って、ほぼ男性みたいで、むしろ男性より強い。やっぱり、そういう特別な人しかモデルがいないんです。トップからは「働き方改革を」っていわれるけど、違うタイプの女子がたくさん入ってきたら、どうなるかな…。

修羅場を生き抜いた女性ではなく、ミドル層でうまくバランスを取ってる女性が少ない。そういうタイプが退職してしまっているので、今後は大変です。


今後の企業において、女性活用が生き残りのカギなのは、確かだと思います。キャリアと生理休暇はもっと語られていいテーマだと感じました。

 


生理休暇アンケートより

 


同じ女性でも、考え方はさまざま。多少耐えてでも、キャリアを目指す選択をする女性もいるでしょう。しかし一時的なガマンで済めばよいのですが、その忍耐があとあとの大病に結びつくこともあり得ます。この設問は個人の仕事観、そして現在の環境に左右されますが、それでも「スキルがあれば出世できる」という回答が一番多かったのは、ポジティブな印象でした。


いまだに強い「生理」のタブー感


先ほどの話ですが、「休暇の取得理由は人事しか見れない」という環境はめちゃくちゃスゴイと思いました。「今日、生理休暇を取っている」とチームの全員にバレるなら、取得が進むわけはないですよね。でも、10〜20人程度の会社なら、まるわかりでしょう。


それはいやですね!

お手洗いにポーチ持って行くの気が引ける…とか、小さいことの積み重ね。大きなビルの女子トイレには、個人ポーチを入れておくロッカーもありますけど、小さい事務所でトイレが中にあったら汚物も捨てにくい。持って帰る人もいますよね。


ましてや、女性がひとりだけだったら…


トイレが1か所しかなくて、男性社員しかいなくて、となると掃除当番も順番で…


(弊社…)


男性社員も、突っ込まないだけで分かっているよね。


タブー感はまだまだ大きいですね。大っぴらにする必要はなけれど、「汚いもの・隠すべきもの」っていう心理は、女性側にも男性側にもあるはずです。

タブー感とシステムの話


FさんとKさんのお話から、比較的、生理で休みやすい環境にはあるけれど、課題は会社それぞれ違うことがよく分かります。社会全体の問題であると同時に、労働環境が変わると、生理休暇の在り方も変わるだろうな、と。画一的な施策ではまったく意味がなさそうです。

大きな会社と、中小企業の差という面も大きいですね。おふたりのように、勤怠管理がシステム化され、自分でプルダウンから選べる環境は、私が担当するちいさな会社からすると、もう別世界です。中小企業さんはいまだタイムカードを使用し、勤怠もエクセル管理しているところも多く、休む理由も「年次有給休暇・出勤・欠勤」しか選択肢がないところがほとんど。

たとえ慶弔休暇であっても、選択肢はいったん欠勤。備考欄に「祖母が亡くなったため」と書くのが精いっぱいです。その環境で、タイムカードに生理休暇とは書けないですね…。有給休暇の申請も紙で出さないといけない会社は、まだまだ生理休暇まで遠そうです。

確かに、紙での申請だったら無理ですね。「申請を出していい」といわれても、紙に書いて提出するのなら、生理休暇では出しにくい。クラウド申請だからできているというのは、大きいと思います。


そもそも、労務管理から紙をなくそうという方向には進んでいますからね。


それは…女子が生理休暇を取りやすくするためではないですよね(笑)


そうではないですよ(笑)


ということは、クラウド管理によって、副次的に生理休暇が取りやすくなっている!?


まさしく…そうですね!


正確性はもちろん、勤怠システムの導入によって、会社は人件費削減とデータ管理がしやすくなる。そして使う側も、副次的に何かが便利になる。ここに「タブー感」が強い生理休暇がはまったわけですね。つまりテクノロジーが生理休暇を取りやすくする可能性がある…ということでしょうか?


面白いですね。意識ではなく、テクノロジーの話だったとは新鮮!


システムの力で、その「隠す部分」に無駄な羞恥心を抱く必要がなくなった、ということですね。


トイレ環境という物理的事情を抜きにしたら、テクノロジーの活用は、女性特有の要素をうまくカバーして、働きやすさを後押しできるのではないでしょうか。


そういうことですね。すごい!

 


生理休暇アンケートより

生理休暇に限らず、休暇の申請方法が「分からない・会社から教えられていない」が28.1%という結果は、正直「会社の闇」だと感じています。「申請方法はある」と、「周知されている」「ストレスなく申請できる」の溝は深い。このテーマは別記事で作成したいと感じました。


まとめ

女性の集まる飲み会のちょっとした話題から始まった、「生理休暇」をテーマにした座談会。タブー感の強いテーマゆえに、「どこまで書けるか」「そもそも、どこまで話していただけるか」まったく未知数のまま、企画がスタートしました。

そして、昭和生まれの本田の脳内にも、「感情論、なんとなく取れない、忖度、羞恥」というネガティブなキーワードばかりが浮かんでおり、これは永遠の課題であり、社会的な解決はできないのではないか…とも思っていました。

実際、男女の溝、そして個人の認識の差は、そうそう簡単に埋まるものではないでしょう。

しかし、現実的な課題である「法律で認められた権利なのに、申請しにくい」という部分であれば、テクノロジーである程度解決できるのではないか…という結論に達したときの、座談会の熱気はなかなかのものでした。

 

「恥ずかしい」…生理休暇がそんな話から始まるなら、テクノロジーを活用し、羞恥心をなくせばいい!

生理痛でパフォーマンスが著しく下がる日。
担当業務に支障がでるほど、出血が多い日。
吐き気と痛みを押さえて、満員電車に乗る日。

月に1日あるかないかの、自力ではコントロールできない痛みを、権利の範囲で緩和させられるなら。それはフルスロットルで働く女性にとっての、大きな「お守り」になるはずです。

そして、ここ数年で一気に高まっている、人事労務管理の重要性。副次的に生理休暇が申請しやすくなるという例からも分かるように、管理環境の整備は、「働きやすさ」を想像を超えた範囲にまで広げるのでないでしょうか。

ざっくばらんに、そしてセキララに意見交換をしてくださった3名に、深く感謝いたします。ありがとうございました!

また、生理休暇アンケートに回答いただいた32名の女性にも感謝いたします。最終の質問「2014〜2015年の生理休暇の取得率は、1%以下と、厚生労働省の調査で分かりました。この現状について自由に意見をお聞かせください」について、数多くの「生の声」が集まりました。

完全無記名であるため、書きやすかった…というのはあると思いますが、いかに働く女性たちが「生理」について悩み、諦め、そしてポジティブに仕事に向き合っているかが浮かび上がってきます。記事の最後に、すべての回答を掲載させていただきます。

ご協力いただいた皆さま、本当にありがとうございました。

生理は女性の証。そして仕事も、人としての営み。
もっとうまくコントロールできる社会を目指して、一緒に取り組んでいきましょう!

 


生理休暇アンケートより、32人の生の声

①女性の中でも認識に差があるし、そもそも有給も取れないし、取得率は上がらないと思う。

②生理って人によって個人差があるものだし、働く人全てに平等ではないから休みにくいと思う。

多様性を認める社会だと言われていても上擦るばかりで、(あくまで主観ですが)50代以降の上層部・役人は特に古い考え方だと感じます。だから取得率も上昇しないのだと思います。テレビメディアが動くと拡散力は強いだろうなと思います。

④職場の環境で大きく左右されると思うし、生理の辛さは人により様々だから、休むに値するかは周りの理解度次第だと思う。現在でもなかなか申請しにくい休暇だと思う。

⑤権利として認められていても取得しにくいから。

「生理休暇の取りにくい理由」の質問が要因だと思います。

しんどい人は多いと思うのに、残念。男性の理解度も低いけど、女性のしんどくない人も、理解がない。個人差が大きいのも理解が進まない原因かと。

⑧認知度の低さもありますが、休むほどではない症状の人もいる、もしくは本当は生理だけど別の理由で有給などをとっている。

女性ばかりの職場でした。有給休暇を取得するのも難しい状況で生理休暇まで取れない職場体制でした。認知度も低く知らない人も多いと思います。個人差が大きいことまずは有給すら消化できない職場状況では、自分の体を労り休むという考えまで至らないのではないかと思います。

産育休のようにとる人が当たり前にいるようにならなくては、休暇をとる側も休暇を承認する側も難しいと思う。

自分も生理痛があるので辛さはわかりますが、そもそもの原因は生活習慣によるものだと自覚があります。また、生理休暇に関わらず、問題をルールで解決はできないと思っています。意識を向けるきっかけになりますが、風潮や慣習が変わらないと根本的な解決にならないと思います。

女性が多い職場では取ることに躊躇しない人もいました。本人の意識改革が必要なのかな?と思います。

そもそも、生理休暇が取れる事を知らなかったので、同じく知らない人が多いのだろうと思う。少ないと思うし、もっと生理休暇を取っていいと思うが、現状は取れる事自体知らない人も多いし知ってても取らない人も多いと思う。また、フリーランスなどの自営業だと取らないのが現状だと思う。

取りにくい制度はある。

そんなに少ないんですか。生理痛のひどい方は、計画的に休んで、廻りの人に自分のスタンダードを知らしめて下さい。

そうだろうな…というのが本心です。無給休暇になるので、休みたいときは有給を使っていました。しんどいですから、もっと自由に休めるようになりたいです。

男性経営陣の理解のなさや、体調管理できていないとして扱われる。 

少ないと思う。 

⑲想像を絶する低さに、愕然としました。 

生理休暇というネーミングも取りにくい原因の一つでは。また女性は月に3日マストで休める日をつくってしまうとか、自他共に「慣れる」「普通のこと」にする環境づくりも必要かと思います。

生理痛がつらい人はもっと多そうなので、何かの仕組みで休暇促進を促したい。

もっと取得するべき。

圧倒的に男性上司が多い現状では仕方ないかと思います。

生理休暇に関する社内制度があっても、「とってもいいよ。ただし、その間無給になるけどね」という会社が多いと思う。それなら、体調不良ということで有給休暇にしてしまおうという女性が多いのではないか。身体がつらくても、給料が減るなら簡単には休めない。それぞれの会社の福利厚生の程度によっても取得できるか、できてもしないかが変わってきそう。

「生理休暇」ではなく、「体調不良のための休暇」などであればもっと申請しやすくなるのでは、と思っています。この名称であれば男女関係なく申請できますし、女性が肩身の狭い思いをしなくてもよくなるかと思います。

生理休暇を使うなら有給休暇を使おうと考える人が多いと思いうので、納得はできる。ただ、本当に生理がきつい人がいるということを男性にわかってもらいたい。

取りやすいといえばそうではないと思うが、職場環境の問題以外に仕事がたまっていて休みを取れる状況じゃないなども考えられます。生理がつらかったら休んでも仕方ないか、ともっと理解が浸透されればいいですね。

2019年現在も取得率は変化がないのか?

ガマンすべき、という固定概念に縛られている女性がほとんどだと思う。

もっと取得しやすい職場環境や、社会での理解が必要。

そもそも生理休暇という概念がなかった。あった事自体、初めて知った。

職場の環境にもよると思うし、性別に偏りがあったり理解されにくいところだととりづらいと思う。


生理休暇アンケート
【調査期間】
2019年12月6日から2019年12月15日
【調査対象】
働く女性
【調査方法】
Googleフォーム
【回答状況】
有効回答数:32

※アンケート結果、集計数字および画像は、すべて株式会社Flucleに帰属します。二次利用はお控えください。また内容についてのお問い合わせは、株式会社Flucleまでお願いいたします。

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