2019年2月にリリースしたHRbaseは満2歳を迎えました、この2年、多くのお客さまにご利用いただき、新サービスを追加ながらHRbaseは成長しています。2021年3月15日には、HRbaseのプロフェッショナル版「HRbase PRO」をリリースしたところです。

2020年の新型コロナ流行は、働き方の多様化を推進させました。先々が不透明な今だからこそ、自分らしい働き方をしたいと考える人も増えています。会社側もさまざまな変化に対応しながら、社員の働き方を真剣に考え、自社のルールを再構築している最中でしょう。 

HRbaseは、新時代のルールが必要な会社に寄り添い、会社の思いを明確にして、社員が働きやすい環境をつくるための基盤になりたいと考えています。そこで今回は、HRbaseをつくった思いと、私たちが目指すものを、改めて記事にしました。

「働く」に強いネガティブ感を抱く日本を、何とかしたい

人は1日の大半の時間を「働く」に費やしています。

1日に8時間を超えて10時間程度働き、通勤に往復2時間を費やし、8時間眠るとすると、1日のうち自由に使える時間はたったの4時間です。

日本人は、その「働く時間」をネガティブにとらえすぎではないでしょうか? 人生の大半が「面白くない時間」なのはもったいない。それが、私が会社をつくったきっかけの思いです。

大学で気付いた、ネガティブスパイラル

私は一般的な大学時代を過ごしました。大半の学生にやる気がないという実態は、どこの大学でもそう変わらないものです。私が学生生活の中で問題視していたのは、それらの学生たちが「サボりたい、頑張りたくない」というネガティブな気持ちを抱えたまま、就職活動に臨んでいたことでした。

そのまま放置していると、いかに楽して仕事をするか、どうやってサボろうかというマイナスな気持ちを抱えた社会人が量産されてしまいます。

私はたまたま就職活動時に目が覚め、「この状況ってまずいんじゃない?」と危機感を抱くことができました。ネガティブな気持ちがあれば生産性はまったく上がらないこと、そして生産性が低いと給料が上がらないこと、さらに楽しい仕事をさせてもらえず、余計にしんどい負のスパイラルにはまってしまうこと…。それに、社会人になる一歩手前で気付いたわけです。

さらにショッキングだったのは、一見優秀な学生たちの多くがネガティブスパイラルにはまっていたことです。この実体験から、「日本の生産性が下がる根本的な原因は、ここにあるのではないか」と感じました。

マイナスをゼロにするサービスをつくろう

 このあと私は起業することになるのですが、サービス考案時に影響を受けた「二要因理論」についてお話させていただきます。

ハーズバーグの二要因理論には、動機づけ要因と衛生要因があります。


●動機づけ要因(ゼロをプラスにする要因)

人間関係は良好か、会社の理念は自分のビジョンに合っているかなど、仕事の満足度に関わるプラスの要因

●衛生要因(マイナスをゼロにする要因)

最低限の給与や待遇、職場の清潔さなど、当たり前だけど整っていないと不満を感じること。整っているのが普通であり、気持ちがプラスになるわけではない要因



動機づけ要因を動かすサービスはすでにたくさん存在します。しかし調べていくと、衛生要因にかかわるサービスが少ないことに気が付きました。日本社会において、マイナスからゼロの部分が意外とおろそかになっているのです。

そこで私はシンプルに、マイナス要因の少ない、ちゃんとした会社」をつくれば、仕事に対するネガティブ感はなくなるのではないかと考えました。

動機づけ要因よりも、やる気をなくさせている要因を取り除いてゼロにするほうが早いのでは?と思ったんです。マイナス要因をゼロにするサービスが世の中にないならつくってしまおう、それが今のHRbaseの思想につながっていきます。

社会保険労務士だからできること

働く環境を観察していく中で、私は就業規則に目をつけました。

就業規則は会社の方向性を示す、とても大切なものです。ですが「使っていません」「見たことありません」と答える人が多く、大変驚きました。「机の中に入っていました」「もともとないです」…そんな返事をされることもありました。

私も社労士の資格を持っていますから、就業規則が大切にされていないことは他人事ではありません。しかし社労士自身の問題よりも前に、就業規則の作成コストが高すぎて中小企業が手が出せていないという課題も見えてきたのです。

この就業規則にまつわるマイナス要因をゼロにするために、安価で質が高く、効率的な就業規則サービスを提供できないかな?と考え、HRbaseの前身となる「就業規則クラウド」の試作を始め、テストマーケティングを繰り返して世に出していきました。

その「就業規則クラウド」を経て、HRbaseという名での提供を開始したのは、2019年2月のことでした。

最初期のサービス

社員の雇用は2億円の買い物

社員の雇用は、大きな買い物と同じです。

誰かの生涯賃金が2億円であるとしましょう。その生涯賃金2億円の人との雇用契約は、2億円の買い物を意味しています。社員が10人いれば、20億円です。つまり就業規則は20億円の契約書と同じ。就業規則は法的な書類でもあり、誰かの人生にかかわる大切なものなのです。

問題は、働く人も会社も、就業規則の重要性を理解できていないことです。就業規則が法的に必要な規模の会社であっても「ない」というケースもままありますし、働く人の多くは、自分がどのような条件で雇用されているのかをよく分かっていません。

HRbaseのメイン機能が就業規則作成なのは、まさに衛生要因である「会社の基礎書類」をすぐにととのえてもらうためです。

「雇用契約書がない」「残業代も払われていない」「休職規程が分からない」などのマイナス要因を少しでも減らしたい。またマイナス要因を減らすときに、いかに手間やコストを省けるかが、初期の開発の肝となりました。

HRbaseという労務のベースになりたい

 労務は会社の衛生要因なので、プラスアルファの動機付け要因にはなりません。しかし、労務に関するいろいろなデータが溜まっていくことで、先々の動機付け要因の解決につなげていくことは可能です。

現在私たちは、一般企業向けのHRbaseというサブスクリプションサービスと、社労士さん向けのHRbase PROという2種類のサービスを提供しています。

「HRbase PRO」のシステム上では、社労士さんと顧問先の企業間で、労務に関する相談のやり取りが可能です。

たとえばHRbase PROを通して企業から「最近、離職率が高いので何か対策を考えたい」という相談が社労士さんのもとに届いたとします。社労士さんはHRbase PROに蓄積された離職に関するトラブル履歴などを閲覧すれば、具体的な支援策を考えやすくなるのが利点です。

これらの労務データや相談履歴は、担当者が変わっても残るので、会社の資産となります。データを蓄積し続けることで、どんどん動機付け要因の対策もしやすくなると期待しています。

働く人がもっともっと選択できる社会

最後に、少し先の未来について、私たちが描いているビジョンをお話したいと思います。

HRbaseは今後、労務サービスの提供にとどまらず、皆さんが就職・転職をするときに会社を選択しやすい環境の後押しをしていきます。

大半の人々は、給与や社風など会社の表面的な情報を手探り状態で集め、賭けのような気持ちで就職活動をしていますよね。就業規則や評価制度などは内部資料のため、入社するまで教えてもらえないことも多いはずです。そこでHRbaseは将来的に、就業規則やルールブックが、求人票と一緒に「見える化」されるるような社会をつくり出したいと考えています。

労使対立や、入社後ギャップのない世界へ

就業規則は法定書類ですから、嘘の内容は書けません。採用にまつわる求人情報と同時に、就業規則などをHRbaseのシステム上で見ることができれば、会社のリアルが透明化され、入社後のギャップも少なくなるのではないでしょうか?

そして、今よりもっと「この会社は自分で選択した」という実感を持ちやすくなると思います。自分が自分の人生をちゃんと歩めるような選択ができ、社員と会社の争いがなくなるような、そんな社会の仕組みづくりを、HRbaseで手助けできたらいいなと思い描いています。

株式会社Flucle CEO / 社会保険労務士
HRbase開発者
三田弘道

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