社労士は、人事労務領域で専門性を発揮できる、使命ある資格です。

最近では事務手続きをクラウドサービスやAIに任せ、専門知識をフルに活かしたコンサルティング型に舵を切り直す事務所が増えています。実際、HRbase PROのご提供するダウンロード資料でもコンサルティングに関するテーマは人気です。

今回は、相談顧問契約とコンサルティングの境界線はどこにあるのか? そもそも社労士のコンサルティングとはどのような業務なのかを解説し、社労士事務所の発展を後押ししたいと思います。

コンサルティングは2つに分類される

まず、社労士の提供するコンサルティングサービスは、「プロジェクト型コンサルティング」と「月次コンサルティング」に大別できます。

①プロジェクト型コンサルティング

プロジェクト型コンサルティングは、特定の課題解決のために、一定期間企業と伴走しながら計画立案・実務作業・進捗管理を実行するコンサルティングです。就業規則の作成や賃金制度設計、年次有給休暇の計画年休導入など、期日の決まっている明確なアウトプットに向けて取り組みます。

②月次コンサルティング

月次コンサルティングでは、企業の課題に対し、毎月定例で「計画立案・一部実務作業・進捗管理」にかかわります。プロジェクト型と大きく違う点は、目に見える納品物が少ないことです。実務作業が少なく、課題解決のための指摘を中心に行うものとイメージください。

社労士においては、定期訪問を行う、相談顧問として関与する」などの契約形態が月次コンサルティングに当てはまります。


月次コンサルティングと相談顧問契約の違い

月次コンサルティングと混同されやすい形態に、相談顧問契約があります。さまざまな解釈がありますが、両者の決定的な相違点は「目的の有無」です。

相談顧問契約は、事前に計画立案・実務作業・進捗管理を行う必要はなく、顧問先で問題が起きたタイミングで連絡をもらい、専門的な知識や見解を元に解決に導く行為です。社労士側から積極的に動き、実務作業を行うのではなく、「何かあったら助けます、ご連絡ください」という安心要素が強い、保険のような存在という特徴があります。

一方、月次コンサルティングは、顧問先企業の何かしらの課題に対して、あらかじめ取り組み目標や目的(ゴール)を作成し、実務作業や進捗管理を行います。顧問となる社労士から、能動的に解決すべき課題抽出を行って提示をしたり、定期的な進捗管理を行い、企業体制の維持に尽力します。

相談顧問契約のメリット・デメリット

相談顧問契約のメリットは、何よりも、顧問先企業に「何かあったら相談できる先生がいる」という安心感を持ってもらえることでしょう。急な手続きや労務トラブルは、いつ発生するか分かりません。また社労士にとっても、相談があってもなくても定額で顧問料を受け取ることができるというメリットがあります。

デメリットもあります。まず、顧問先企業が適切な時期に相談をしてくれるとは限りません。「もっと早く相談してくれれば防げたのに」、そう思いながらトラブルの火消しをされた経験はおありではないでしょうか。しかし「いつ、何を相談すればいいのか」を正しく理解している企業は少なく、結果、社労士が事後処理係になるケースも多いはずです。

企業からの相談がないまま数か月経過し、気になりつつも放置している場合は、「何もしてくれない」という評価になり解約される可能性もあります。

月次コンサルティングが難しいといわれる理由

顧問先に価値提供を行い、信頼を得て契約を継続してもらうためにも、月次コンサルティングに取り組むことをおすすめします。しかし社労士の業務の中でも、月次コンサルティングはもっとも難しい領域とされています。

難易度を高くしている大きな要因は次の2点です。

①スキルやノウハウの不足

月次コンサルティングと1号業務では、異なるスキル・ノウハウが必要なため、特定の知識の習得を行わなければなりません。そのためアウトソーシングを中心に受注してきた先生にとっては、スタートの敷居が高いと思われがちです。

②顧問料とセットになっていると思われがち

顧問スタイルには、企業から受けた相談に応じていく受け身のスタイルと、社労士からどんどん提案していく能動的なスタイルがあります。この顧問スタイル(コンサルティングの形)を深く考えず、一定の顧問料範囲で何でも対応してきてしまった場合、なかなか月次コンサルティングの単独提案が難しくなってしまいます。

顧問料を払えば、何でもやってくれると考えている企業は少なくありません。企業の期待値を調整しつつ、あるべき価格を提案し、納得してもらう必要があります。それが「月次コンサルティングは難易度が高い」といわれるゆえんです。

コンサルティングに取り組む流れ

しかし二の足を踏んでいては、いつまでたってもコンサルティング型の事務所に変化できません。まずはプロジェクト型コンサルティングの場数を踏んでから、月次コンサルティングの獲得を目指していくとスムーズです。

月次コンサルティングのスタートとしては、評価制度の導入や評価制度の運用フォローを目的とした「評価制度コンサルティング」などを提案してみてはいかがでしょうか。

その先は、企業の給与査定や人事異動、1on1面談など、幅広い領域で企業経営に深く入りこめるような月次コンサルティングメニューを提案してみることをおすすめします。

なお、月次コンサルティングは、長期の顧問契約ではなく、長くとも3年ほどのスパンで契約見直しを行うのもポイントです。月額数万円の顧問契約を数十社担当し、10年など長期で契約を組むのではなく、月額10万円超の価格帯で、数社×2~3年の契約のほうが短期間で利益を追求できるためです。

コンサルティング型に移行したい社労士事務所をサポートします

HRbase PROは、チャット式の労務相談や、顧問先への定期的な情報共有機能を備えた、社労士事務所の顧問業務価値向上サービスです。特に今後、コンサルティング業務に移行したい先生への、包括的なサポートを行っております。

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